ちょうど1ヶ月ぐらい前から江川卓氏のYoutubeチャンネルを観てるんですが、そこに出演されるゲストの方々も素敵な方々がたくさん。
その中でも特に面白かったのが高橋慶彦氏との対談でした。
高橋慶彦、という選手は当時野球をあまり見てなかったのでお顔の方は全く初めて見たんですが、
名前はなぜかどっかで聞いた事ある・・・
と、思い出したのが中学の時から愛読していた村上龍氏の単行本。
短編集として発売された「走れ!タカハシ(1986)」でした。
このタイトルなんですが、別に高橋氏が主役の小説ではなく登場人物の賭けの対象に高橋氏の盗塁が使われたり、とかそんな感じの物語。
あの頃は村上龍ならなんでもガスガス読んでたし、ちょうど「愛と幻想のファシズム」が連載されてた頃だっけか。
この「走れ!タカハシ」で名前を覚えてたんやろなあ、と。
高橋氏もYoutubeチャンネルを開設してはりまして(よしひこチャンネル)こちらもまあ面白い。
このチャンネルのシリーズとして「カープOBを回る旅」というのがありまして、これがもう抱腹絶倒なのですよ。
見た目から若い時はヤンチャしてたんやろなあ、という高橋氏ですがカープOBが登場する度に謝ってはります。
しかしただヤンチャだけでは連続安打33試合という記録は残せません。
「練習は『自分を信頼する』ために重ねるものやん」という重いセリフをさらっと言ってしまうのがやはり一流の人です。
そして若い頃はレコードまで出してはるそうで(笑)
「うわさのセクシークイーン」ですぜ・・・!
こちらの「カープOBを回る旅」に登場する方々は、もちろん顔を見るのも初めての人ばかり。
でも、どの方もほんまエエ顔されてて魅力的な人ばかりなんですよねえ。
そういえば1986年に出た野球ゲームの金字塔「ファミリースタジアム(初代)」のカープ(ゲーム上ではカーズ)のメンバーはこちら。
- よしひこ(高橋慶彦)
- やまさき (山崎隆造)
- こばや(小早川毅彦)
- こうじ(山本浩二)
- なかしま(長島清幸)
- おさない(長内孝)
- きぬかさ(衣笠祥雄)
- たつかわ(達川光男)
- きのした(木下富雄)
- にしだ(西田真二)
- しようた(正田耕三)
- はら(原伸二)
- きたへふ(北別府学)
- おおの(大野豊)
- かわくち(川口和久)
- つだ(津田恒美)
当時、このゲームで遊んでた頃はただの記号でしかなかったのに、よしひこチャンネルを見てるとどんどんその人達が実像となっていく感覚が自分の中ではとても新鮮!
そして、皆さんがお元気で第2、第3の人生をエンジョイされてるのが素晴らしいなと思うわけです。
(うまくいってない人はきっとこういう場に出てこられない・・という事情もあるでしょうけども)
正田氏は現在はなんと自分の家の近所のAmazonに勤務してはって、週末は高校で野球を教えてはるとか。
やっぱり野球が大好きやからこそ、そういう働き方をチョイスしはるんやなあと尊敬です。
考えてみればスポーツ選手って40才まで続けれる人の方がまれで、やめてからの人生の方が長いんよね。
僕等がテレビで目にするような選手だけじゃなく、2軍・3軍だった人達もいっぱいいるわけで。
ただなにかに縋って生きるだけ、よりも何よりも食っていかなきゃならんわけですから、スポーツ漬けだった人生から頭と身体を切り替えるそのバイタリティってすごいと思いますわ。
このチャンネルに出てくるおじさん達は何より、恨み言も泣き言も人が見える所では言わないというのがいいですね。
きっとこのレベルに達した人は「そんな事をいちいち言うても何も得にならん」という事をわかってはるんでしょう。
自分もあと10年足らずでこのおじさん達の年齢になりますが、その時にこういうおじさん達のような顔でいたいと切に願うばかりです。