「レッド・デッド・リデンプション」と「マフィア」の合計5作のゲームで1890年~1968年の仮想アメリカ空間を走り回ってたおかげか、いわゆる「アメリカ史」という物に興味が出てくる。

映画とかでちょこちょこ触れていた「禁酒法(1920~1933)」時代。
確か最初に観た映画としては「アンタッチャブル(1987)」だったような記憶があります。
デニーロ扮するアル・カポネがバットで部下の頭叩き割るシーンが強烈に印象に残ってますが、時代背景の認識としては「へー、お酒売ったらアカンねや」ぐらいのもんでした。

最近プレイしたゲームでは「マフィア1」がちょうどその時代のアメリカが舞台。
ただ、禁酒法うんぬんって話はあんまりゲームの大筋には出てこない。

禁酒法時代に興味がわいたので、んじゃもっかい「アンタッチャブル」見直そうかな、とU-NEXTを漁ってたらオススメに出てきたのがHBO制作のドラマ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街(2010)」でした。

U-NEXTに書かれた紹介文はこちら。

禁酒法時代を舞台に、歓楽街を牛耳った実在の政治家の華麗にして壮絶なストーリーが展開。第1話はスコセッシが自ら監督。演技派、スティーヴ・ブシェミの好演も光る。

1920年。全米で施行された禁酒法を背景に、大胆不敵なやり口で勢力を拡大するアトランティック・シティの大物、イーノック・“ナッキー”・トンプソン。彼の周囲では手下のジミー、若きカポネやルチアーノなど、ギャングたちの思惑が複雑に絡みあっていた。

製作総指揮がマーティン・スコセッシで1話は自ら監督、となるとそりゃ見ないわけにはいきません。
で、その1話がめちゃめちゃ面白くて、ずーっと続きを見てしまうわけですよ。
気がつけばシーズン5,全56話見終わってしまいました。
そして、また1からリピートしているという(笑)

第1話はちょうど禁酒法施行前夜、というのが自分の興味にハマったのと、劇中の端々で出てくる実際のアメリカの出来事(ブラックソックス事件とかジャック・デンプシーとカルパンチェの試合など)の織り込み方がすごく自然。
セリフの端々にも当時の風俗や文化をさりげなく入れ込んでくるので、それを片っ端から検索しながら視聴してました。

歓楽街が舞台、という事で音楽演奏シーンもたくさん出てくるんですが1920年代といえばジャズが発展しだした頃。
劇中の演奏シーン、毎回のエンドクレジットでもちゃんとその年代のジャズが使われてるのも勉強になりました。

この「Some of These Day」はソフィー・タッカーが歌ってるのを再現してると思いますが、とても印象的なシーンでした。

登場人物がそれなりに多いこのドラマですが、それぞれのエピソードを切り替えるタイム感がとてもテンポよくて、そのせいか次々にエピソードを観てしまいました。
特に最初は強面の捜査官として登場したネルソン・ヴァン・オルデンがどんどんドツボにハマっていくのが最高に笑えます。
いわゆるギャングものなのでハッピーエンドな人物は誰一人いないのは常ですが、自分もええ年になってるので「人生ってそんなもんよな・・・」となってしまうのが少し悲しい。

現在はU-NEXTで見放題配信、そしてAmazonビデオとYoutubeで有料レンタルされてる様子。
HBO制作ドラマだった「バンド・オブ・ブラザーズ」「パシフィック」はソフト化されて日本でも販売されてますが、なぜかこの作品は日本では未発売のまま。

思い当たる事と言えば・・・・・かなりどぎつい性描写シーンが多いという事かな・・・
AVか!と思うぐらいのファックシーンや女性が一人で子供産む場面があったりするのでそれが原因かも。
決してお子様と一緒に観てはいけません。家族団らんが気まずくなること間違いなし。
ガキの頃に木曜洋画劇場で「エマニエル夫人」を家族で見始めてしまった時以上の衝撃は確実です。

この時代のアメリカ文化には「狂騒の20年代」という名前が付いてるのをこの作品を通じて知りました。
生きる事は知る事。知った所でなんになるかと問われれば答えはない。
あらゆる事への興味はつきぬが、それを完全に満たすには人生はあまりに短すぎるって事ですな。