眠る時に雨音がしているとなぜかよく眠れるような気がする。
しかしここ数日、雨が続いているのに寝入るまでが長くてなんとなく気が滅入る。
そんな時はPSPでゲームしたり、枕元のライトを点けて本を読んだりするのだけど
今回本棚から手にしたのは馳星周氏の長編「煉獄の使徒」。
馳星周氏は「不夜城」でデビュー以来、そのスピード感溢れる文章の虜になって
ほとんどの著作は読んでいる気がする。
作風としてはまずハッピーエンドという物がないに等しいので
読み終わった後に楽しい気分になんて絶対になれないのだけど
その読了感も慣れてしまえばある意味病みつきになってしまうのですな。
今回の「煉獄の使徒」はだいぶ前に一度だけ読んだのですが、
少し前にオウム関連の特番を見たせいもあって読み返してみたくなりました。
この小説は「オウム真理教」、そしてあの団体にまつわる全ての事件をモチーフにしつつ
警察内部の派閥争いが同時に進行するというのが主なストーリー。
ノンフィクションものではないのですが、登場人物全てが
「ああ、これはあの人」とわかる設定がされてるので一連の事件の
外枠を追って行く際になんとなく顔が浮かんだりします。
Amazonからの引用
“カリスマ教祖”十文字源皇率いる、〈真言(マントラ)の法〉。
弁護士・幸田は侍従長の高位にあり、外界との交渉を担っている。組織に罪を背負わされ失脚した児玉警部補は、この新興教団に目をつけた。ここは金のなる木だ、と。両者の間に奇怪な盟約が結ばれる。教祖が敵対する弁護士の殺害を命じたとき、黙示録の扉は静かに開かれた――。欲望と狂気に憑かれた男たちを描き切る、群像サスペンス。
幸田が物語内で呟くこの言葉がとても印象的でした。
救いが欲しい – 連中はいう。金が万能のこの世の中で、心に安らぎを得るために救いが欲しいと。だがその願いには注釈がつく。
救いが欲しい – できるだけ早く、お手軽に。
そんな具合に救いを手に入れることができるなら、この世に苦しみが溢れることもない。
連中はそんなことにも気付かない。要は自分が幸せになりたいだけの話だ。
できるだけ早く、できるだけお手軽に。
この弁護士は教団のカリスマ十文字を利用してお金を着服するのが目的なのですが
自分の所に集まってくる信者達をこういう目で見ています。
「自分の頭で考えれる人、考えれない人」という大きなカテゴリーで
この小説の登場人物(教団側、警察側問わず)の行動が描かれるのですが
これは昨今問わず、社会全体に生きる人達全ての事にも当てはまるな、と。
僕は目に見えない物は信じたくないし、占いも嫌いだしおみくじも引かないような
人間ですから、ましてやお金を払ってまで同じ人間の「考え方」に縋ろうなんて思いません。
ソフトではあるけど「考え方セミナー」なんぞ開講して
「あなたのため」というこれ以上ない欺瞞に満ちた言葉を振りかざして
とんでもない額をぼったくるような団体は未だにあちこちに存在しています。
でも、みんなそれをわかっていて自分で参加するんだよなあとも最近は思ってしまう。
拉致監禁の後、無理矢理財産を没収されてるわけでもないですしね。
いやだいやだと言いながら安い賃金で働くのをずっと続けていたり
それが元で命を落としたり。
ブラック企業なんて言葉を誰もが口にするようになった昨今
オウムという「特殊」な構造だと思っていたものは、知らないうちに
僕等の頭上をすっぽりと覆ってしまっているような気がしました。
でもね。自分は同じ人間が吐く言葉にお金なんて絶対に払う気はないけどね。
そんな事するぐらいならありとあらゆる所からタダでパクってきて
自分のセンスでつなぎ合わせて生きていくような図太さの方が好みだわ。
ティラミス作ってみました。
急に思い立ってティラミスなんぞ作ってみました。
デザート作り、そしてメレンゲ初体験。
しかも本物食べた覚えはありません(笑)
甘いもの作るってのもなかなか楽しいですな。
今回のレシピは運営しているレシピブログ「Cook-man」に掲載しています。
http://www.cook-man.com/2015/04/11/3495/