毎月一度の楽しみであるダブルキングカフェ姫路での演奏日。
珍しく雨はあがり、青い空と傾きかけた陽に向かって西へ走る夕刻。
度付きのサングラスが欲しいな、と思う瞬間はいつもこの時期のこの時刻。
太陽を直視しながらの高速運転は恐ろしいのだ。
視界が完全にホワイトアウトして、同じように猛スピードで走っている車が
そこにいる事さえ忘れてしまうぐらいの現実感のなさが怖い。
ふんわりとした気分のまま、白昼夢の中にいるような気分になる。
どうせ夢を見るならば、エアバッグよりもダイナマイトボディのお姉ちゃんの胸に
飛び込んでそのまま眠りから覚めたくないものだ。
そんな大層しょうもない事を考えながら姫路に到着。
さて、今日はダブルキングカフェ近くの姫路城でイベントが開催されており
そこにいつもFAUN TIMEで一緒に演奏している藤田俊亮氏(ブログ)が
全く別のバンドで出演しているとの事。
幸い、この日は入り時間がいつもより遅くてステージ開始の19:30に無事に間に合った。
いつも一緒に演奏している人を外から見るというのはなかなか新鮮で
演奏が始まった瞬間は顔がニコニコとしていたのだけど、演奏を聴いてるうちに
だんだん真顔になってくる僕。
・・・・・ギターのカッティングが・・・・・めっさかっこいい。
とってもクールな感じで淡々と弾いてはるのだけど、そのリズムの気持ちよさ。
そして歯切れの良さ、全てに打ちのめされてしまった。
また自分が演奏している曲と同じ曲だったのも災いした。
一体自分とあの人はどこが違うのか、何が違うのか。機材かそれとも若さ、なのか。
いや、そんな表面的な物じゃない。役割に対する真摯さ、だ。
自分はああいった役割をどこのバンドの中でもちゃんと演じているのか。
そんな事がアタマをグルグルと回り出してしまって、ちょっと凹んできてしまったのだ。
時計を見るとそろそろダブルキングカフェに向かわないといけない時間。
ちょうどステージでは各メンバーのソロ回しが始まっていた。
ギタリストはやはりというかものすごくカッコイイカッティングソロを披露しはじめる。
もう顔で笑いながら心で泣くしかないような気分に墜ちていく(笑)
ステージ下に降りていた藤田君に声をかけて、そのままテクテクとダブキンに向かう。
アタマの中であのギタリストのどういう部分を取り入れる事が出来るか考えながら。
出来てたつもりになってた自分が恥ずかしい。しかし、ああいうプレイには憧れる。
だから、そう、やるのだ。うん。
ダブキンへ向かう途中、自動販売機で缶コーヒーを買って、ちょいと小休止。
なにげにTwitterを開くと
「山本耕史と堀北真希が電撃結婚」
僕に出来る事はその場に座り込んでしまう事だけだった。
小宇宙を燃やすべき女神(アテナ)を失った黄金聖闘士の様な気分のステージ直前。
セブンセンシズに目覚めるどころではないこの気分をどうすればいい?
たった二か月で陥落してしまうのならせめて3ヶ月前に出会いたかったさ。
とはいえ、ステージが始まると身体が動いてくれたのでヨシ。
いつもより短い3ステージを終えて、国道372号線を走りぬけて松屋亀岡店で
カレギュウ食べて帰宅したのでした。
身体よりも気分の方が疲れた1日やったわマジで。