かつて「好きとか嫌いとか、最初に言い出したのは誰なのかしら」という歌があった。
まだまだ子供だぜ、と思っていたとしても長女がハマっているマンガを見せてもらって「なんじゃこれ」という事もある。
以前、書いたマンガ「12歳。」のお話である。
小学6年生が第1話からキスするわ、生理は来るわ、「試しに付き合ってみればいいじゃん」というセリフが飛び交うわ、なんかもう読んでて末恐ろしくなってしまう。
が、自分も押し入れ上に隠していた「スコラ」や「デラべっぴん」をオカンに見つけ出されて、わざわざ机の上に置かれた事もあったりしたので、ここは広い心で「まあ、そんなイケメン現実にはおらんで」と現実に沿ったアドバイスをするにとどまっている。
と、そこでふと思った。いや、思い出した。
セガサターンを所時していた頃に寝食忘れて没頭したゲームを。
恋愛シミュレーションゲームの金字塔である「ときめきメモリアル」である。
あのゲームの世界観設定は高校3年間。
「卒業式の日に校舎内にある伝説の樹の下で女の子から告白されるとずっと幸せになれる」というのを目指すのだ。
その世界観の中ではキスはおろか手を繋ぐ描写もない。
完全なるプラトニックなワールドのままエンディングまで過ごすわけである。
という事は・・・・・すでに「12歳。」の世界観でこの倫理観はすでに逆転してると言えよう。
長女はすでに「ときメモ」の世界の倫理観を超えた所でこういう「疑似恋愛」の世界を体験している事になる。
そういえば・・・・ときメモには逆サイドのゲームがあったな。
普通はプレーヤーが男子で、ゲームにはたくさんの女子が出てきてそれぞれを攻略するのですが
これが逆転しているシリーズをコナミはリリースしている。
それが「ときめきメモリアル Girl’s Side(通称GS)」シリーズだ。
我が家では未だにPSPが現役機(親父の持ち物として)として稼働しており、長女もいくつかのゲームを楽しんでいる。
そして、PSPにはGSシリーズのナンバリングタイトルとして「3」がリリースされている。
ときめきメモリアル Girl's Side Premium ~3rd Story~ (通常版) - PSP
CEROレーティングは「12歳」となっているが、もはやあんな漫画が「ちゃお」で連載されている以上問題なかろう。
これをひっそりとPSPのUMDとして紛れ込ませておく事にした。
あえて「これやってみたら」と勧める事はしない。
娘「お父さん、これなに?やってもいい??」
俺「おー・・・・ええんちゃうか」
前もってこのシリーズの事を調べもせず中古のUMDを入手したのであるが、一応シリーズの伝統は守られている様子である。
というかもう登場人物は「ガリ勉」「チャラ」「体育バカ」「寡黙なヤンキー」「年上の真面目タイプ」「年下のカワイイ系」あたりがきっとズラリと揃っている事は容易に想像出来る。
これに「関西弁」とかそういう属性が加わるぐらいではなかろうか、と予想していたが公式サイトを見ると案の定であった。
lhttps://www.konami.com/games/girls_side/3rd_Story/character/index.html
GSシリーズはどうやら元々のシリーズに加えて
「ファッション」「アルバイト」「女友達」という概念がプラスされている様子。
要するに各キャラには「好みのファッション」が存在し、それに合わせて衣装チェンジする為には金がいる、と。
プラス、女友達も複数人登場して、その女友達と狙いが被ると一気に敵対モードに突入するという要素が組み込まれており、さすがは時代を担ったKONAMIだけの事はある。
とりあえずはゲームを進めて行く長女。
勉強イヤだから運動ばっかりするー!と意気込んでいたもののそれと同時に学力と容姿が下がる、という事を知る。
なんで?と聞かれると「そらお前、外で走り回ってばっかりじゃいつ勉強してオシャレすんのんな」で納得。
「じゃオシャレもみんな頑張る!」で満遍なくこなしていくと次は「ストレス値」があがる。
なんで???との問いに「そらー寝んと死んでまうしな」で納得。
ストレス値が基準を超えると、何の活動も出来なくなるので結局は非効率なのだ。
「服を変えようと思ったらお金が足りない、って言われる」
「そらーお前、そこでバイトするんやがな。狙ってるヤツと同じバイト先選ぶとか」
「なるほど!」
「何かを極めるためには何かを捨てないとダメな時もある」という事を乙女ゲーで学ぶ小学3年生。
そして終盤戦になると今まで仲良く男の子情報を教えてくれてた女友達が敵対するという展開に。
「めんどくさいね・・・」「そやで」
ゲーム内のパラメータも現実のパラメータもそう大して変わりはしない。
取得選択の意義とタイミング、そして並外れた意志による努力が必要なのである。
そして、3択のセリフ選択だけで実際の世界は進んでいかない事も同時に学んでくれれば、と願う親父である。
うん。「12歳。」を読むだけよりはよっぽどこっちの方が有意義な気もする。かな?
「好きとか嫌いとか、最初に言い出したのは誰なのかしら」
引用元は「ときめきメモリアル」第1作目の主題歌からなのでありました。
めんどくせーもんですよ実際の所はね。ええ。