我が家にはYAMAHAのFG-200Dというアコースティックギターがある。

Screenshot of www.yamaha.co.jp

発売年は1980年。
このギター、自分が生まれて初めて買ったギターでして幾度の引っ越しを経て
まだ我が家のリビング用ギターとして鎮座しております。
梅田ナカイ楽器、阪急三番街地下店の店頭に9800円でぶら下がってたもの。

しかし、ガキの頃に買ったギターという物は大抵粗末な扱いを受けてまして
このギターも例外ではなく、まともな状態とは言えませんでした。

たとえばブリッジサドル部分はこんな状態。

適当に買った物を適当にぶち込んだ結果、いびつな弦高と傾いたサドルという状態

適当に買った物を適当にぶち込んだ結果、いびつな弦高と傾いたサドルという状態

若い頃というのは根気が伴わない、ってのはよくある話で
「いっかこれで。鳴ってるし」と思ってそのまま放置したのであろう。
弦も前回いつ替えたのかすら忘れていて、最近では弾いた後の左指が緑色になるという状態。

弦高は恐ろしく高く、もちろんオクターブチューンなんぞは合っていない。
一時はオープンGのスライドギター用としての役目を担っていた事もあった。

まだ一人で弾いていた時はそれでよかったのかも知れないが
キーボーディストの嫁さんと暮らしている以上、一緒に弾く事なんぞあれば
絶対的に正しいのは彼女の奏でる音なのである。
「ギ、ギターってのはそもそもチューニングが合わないもんで・・・」なんて議論も
こんな状態のギターを手にしていてはなんの説得力もない。
正しくないのはギターのチューニングではなくお前のその姿勢だ、と言われたら
もはやグウの音も出ないのである。

そこで最近気になってたTUSQという「人工象牙」で出来たブリッジを入手してみた。
GRAPHTECHというメーカーのPQ-9280-C0である。

TUSQ素材のブリッジサドル。

TUSQ素材のブリッジサドル。アコーステックという誤植がなんか泣ける。

このメーカーのブリッジサドルは全て大きめのサイズで売られている。
なので、自分のギターの大きさに合わせて加工をする必要があるのだ。

手前が新、奥が旧。元々は白い色だったが年数を経てヤニーイエローに変色している。

手前が新、奥が旧。元々は白い色だったが年数を経てヤニーイエローに変色している。

旧サドルの左側に注目。
恐らくこの部品も削って使うものだったのだろうが、適当に割ってそのまま使った形跡が・・

このままでは旧サドルと高さがほぼ変わらないので、交換しても意味がない。
もう40も越えて、それなりの根気も身についたはずなので
サンドペーパーで根気よく高さ、そして幅を調整する事にした。

・・・・・およそ一時間ぐらい、シャカシャカと削ったであろうか。
一応はめ込んでみる。

このままではまだまだ弦高は高いと思われる。

このままではまだまだ弦高は高いと思われる。

ここであきらめたらなんの成長もしていない、って事なので再び根気よく削る。
グラインダーとか持ってりゃあっという間なんだろうが、そんなもんあるわけがない。
サンドペーパーで地道にやるしかないのであった・・・・

最終的には6弦12フレット頭と6弦の下部が3mmになるように調節した。
弦はエリクサーのNANO、ライトゲージを使用。

きれいにアールが付いた状態、そして弦の色に注目

きれいにアールが付いたサドル。そして弦の色に注目!

まだこれでも高さはあるので、もう少し下げれるのだろうけど
4弦の開放がビビる寸前だったので今回はここまでにしといた。

最初からサドル頭に各弦ごとに角度がつけてあるおかげか、
オクターブチューンもほぼ合ってくれた。

あとはネックのトラスロッドの調整、そして根気よく拭き掃除。
指板にもオイルを塗ってやると、ほこりまみれの姿から一変して男前になりました。
弦高もものすごく低くなって、とても弾きやすいギターに。
まあ、音はそれなりですけども。元々が20000円のエントリーモデルですしw

どうせならナットとブリッジピンもTUSQにしてやればよかったかな。
これで「そのギター、チューニング気持ち悪い!」って言われなくても済む・・・はず!