若者(とは言うが30代を超えている)から少し相談を持ちかけられて
ふんふんなんじゃいね?と聞いてみると
「最近、彼女がずっと家に来てるんですが『いっつも私からよね』と言われてるんです」
「は?」
「あ、だから・・・その・・夜の・・」
「ああ、はいはい。夜の、ね」
「僕、正直な話、すごい疲れててそんな気にならなくて『ごめんね』としか言えなくて・・」
「ほほう。」
ここで彼女の顔を知らなかったら、まだ何とでも言える。
なぜならその彼女は僕にとって「想像上の生物」だからだ。イエティなどのUMAと同じレベル。
この時の不幸は僕がその彼女の事もよく知ってる、という事だ。
こうすればああすれば、ってアドバイスをするにも顔が浮かんできてとても恥ずかしい。
(ちなみにとってもカワイイ子です。)
「え、それは例えば違う娘が誘ってきた場合とかでもダメなん?」
「いやそれは大丈夫です!」
この時点でこいつマジで殴り殺そうかな、とも思ったけど
こういう問題は意外と本人達にとって深刻だったりするし
何より相談してくれてる、という事はそれなりのアドバイスをしなければならない。
なんとなく漂うマンネリ感、それをどうやって打破したんですか?という事に
センパイとして「それはだね、こうすればいいんだよ」と道を切り開いてあげなければならない。
「あ、あのな。それはやな・・・例えば今から帰ってガバッと・・かやな」
「ガバッと?」
「お、おう」
「え、今でもそんな感じなんですか?」
「ち、ちゃうわ!」
こういう話ってなんで男同士だけだとこんなに気恥ずかしいのか。
「とりあえず『ごめん』じゃなくて、色々とお互いの要望を真剣に話しあいなさい・・・」
「あ、はい」
仲良くなっても、たとえ夫婦となっても所詮は他人。
だからこそ思いやりの気持ちが出てくるわけだし、言わないと分からない事もあるだろう、
いやにんげんだもの。言って初めて伝わるものなのだから
みたいな話をして、その場はもう終わらせた。
最後まで言えずに飲み込んだ言葉。
「オレと交代してもええで。あ、違うかwww」
不惑を超えたせいなのか助平な気持ちにも迷いがありません。
・・・・死んだ方がいいですかね?
全ての人達に愛溢れるナイトライフが訪れますように。