前回「世界で一番高い車」のエントリーを書いた時に登場した二人の若者。

真面目でコツコツタイプのA君。
そしてスチャラカそのもののB君。
彼らはともに19歳。
同期入社で就職で大阪に出てきて、寮で暮らしながら毎日頑張って働いている。

そのA君からおもむろにこう聞かれた。
「自営業ってどんな感じなんですか?なんで自営業を始めたんですか?」

ははあ、なんぞあったんだなと思ったものの
「社会に貢献するためさ(キリッ」なんて高尚な理由なぞは自分にはない。
自分の大事なものを優先した結果、そういう働き方がベストだっただけの話で
未だに人生模索中という不惑を越えた人間とは思えない暮らしっぷりだ。

それには答えずに「どうしたんよ。なんぞあったん?」と尋ねてみると
「4月から今まで働いてきたんですけどもこのままずっとこれが続くのかと思うと・・」

真面目な故にぶつかる壁。
自分自身も会社に出勤途中の人の波に流されてる時に、ふとそんな事を考えてしまい
そのままきびすを返してバックれた事もあったのだけども
それにしても入社して3年目だったような記憶が。

「色んな世界を知りたいので来年にはもうやめようかと思うんですよ」

う、危険な思考な気がする。
先に20年以上走ってるおっさんとしてはこいつを煽るわけにはいかない。
ましてや息子ぐらいの年齢の若者である。
いずれは自分の息子にも同じ事を聞かれるかも知れん、という事が頭をよぎる。
お説教にならぬよう、押さえつける言い方にならぬよう・・・・

「もしタイムマシンがあって、A君の年齢の自分に今会えるんなら・・・」
「会えるんなら?」
「月に8日もある休みにもうちょっとマシな動き方出来んかな、って言うかな」
「そっか。今は僕もしんどいから寝てるだけですもんね。何か出来る事ありますかね?」

たったこれだけで言いたい事をくみ取ってくれるA君。
今時の若者は・・・なんてカテゴリで分けたくはないけど
彼は実はとてもすごいヤツなのかも知れません。

「うっそー!休みなんてずーっと寝てゲームしてたいわー!」
「高校生の時に戻りたいッス!ずーっと下っ端がサイコーっすよwww」

横で聞いていたスチャラカB君のこの発言にA君はカチンときたみたいで
「お前、本気で言ってんの?」と怒りモード。
僕も「そうはいっても4月なったらお前、先輩になるんやで」と言うと

「それなんすよねー。高校の時も2年になったら1年にタメ口で話されてww」

A君は空を仰いだ。

ちなみに僕はこの二人を見ているのは嫌いじゃない。

あの頃19歳だった自分はこの二人ほど極端ではなかったけれども
それなりに悩んだり人や世間に絶望したりしながらもなんとか今まで生きてきた。
確かに取り巻く世界は色んな変化をしているだろうけども
考え方のコツ、みたいなものぐらいなら教えてあげられるのかも知れない。