19歳の若者と話す機会がありまして。

19歳といえばジェネレーションギャップどころか、ヘタすれば
そんな年の息子がいてもおかしくない事にビビってしまうのだけれども
最近の若者といえど、やっぱりそれは人それぞれであり(おっさんでも馬鹿はいる)
この彼は(以後A君と記す)ちゃんと挨拶も言葉遣いもしっかりしており
仕事のやり方もきっちりメモを取るタイプのコツコツ型でとても好感が持てる。
ご両親がとてもいい教育をされたんだな、というのがにじみ出ております。

ここにはもう一人19歳の若者(男)がいるのだけれども
この彼(以後B君と記す)はA君とはまったく対照的な言動であり
憎めないキャラではあるのだけれども、仕事に関してメモは一切取らず
忘れる度に同期であるA君に丸投げして聞いてばっかり。
しかもそれが良くない事だ、という認識がまるでなく「お前(A君)すごいなー!」と
脳天気な態度を取ったあげく「まだ僕新入社員ですからー!」とのたまうので
B君と同期であり、共に新入社員(この時期でそう呼ぶのは微妙ではあるが)の
A君はけっこうイラッと来ている様子(笑)

「んじゃ帰ろー!明日もよろしくー!」と脳天気にB君が家に帰った後、
車好きのA君は大きくため息を吐き、PCの前に腰掛けた。
「ハア・・・外車ってカッコイイですよねえ」と車のサイトをぼんやりと眺めている。

「いつかは高級車」うん、若者らしくてよろしいですな。

しかしそれに乗るためには車体価格がこうで、ローン金利がこうで、
君の仕事と収入を照らし合わせると・・・みたいな事を言ってはいけない、いや言うな、
それがアンタの悪いとこじゃけぇ、と嫁さんからいつもキツく言われているので
ニコニコと「うんうん、そっかー。どんなのがいいの?」と聞き役に徹する42のおっさん。

「そういえば」とA君。

世界一(値段)高い車ってなんていう車なんですかね?」

なんという新鮮な響き!世界一高い車!出た!高い車!これ!得意技!敬礼!出たよ~
こういう視点すら現実に押し流されてすでに忘却していた事自体、
自分がとっても情けなくなったりするわけですが
この疲れたおっさんもちょいと興味が出たのでGoogleで検索をかけてみた。
高級車 最高値」ああ、この検索ワードもなにかヨゴれた感じがしないでもない。

見つかったのはこのサイト。

世界で最も高価な車、ベストテン

Screenshot of www.gigamen.com

http://www.gigamen.com/top10-cars.html

10位のポルシェ918スパイダーでさえ6,430万円というおっそろしい金額なのだが
1位のブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツ(全然知らんかった)に至っては
なんと1億9,800万円という金額がついていた。
こんな値段、たかが移動する為の乗り物に払える人間がいる事に驚く。
需要がなければこんな車わざわざ作らないだろうし。
ていうか、こんな値段じゃ普通にヨーロッパの城とか買えますやん。どないなんこれ。

さて栄えある1位は、やはりというか、貫禄のブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツ(仏)。価格は 2,600,000ドル(約1億9,800万円)。 エンジンは16気筒で1,200馬力を発生。0-60mphは2.4秒で、最高速度は市販量産車最速の267mph、430km/hにも達します。ただ、この車で事故を起こすと世界中のメディアに報じられたりします。

「・・・・・どうやったらこんな車に乗れるようになりますかね?」

・・・・・そんな質問、オレにするな。

そんな時にB君が雨でずぶ濡れの姿で戻ってきた。

「部屋のカギ忘れちゃったよー!最悪ー!」

「・・・・こいつ殴っていいですかね?」
「・・・・いいんちゃうかな」

「あ、こっちのポケットに入ってた。デヘヘヘヘwwやっべーwww」

19歳と42歳の二人はほぼ同時に
「はよ帰れボケ!!!!!」と叫んで、そっとこのサイトを閉じましたとさ。

Boys, be ambitious!