ハナモゲラボ / 試行錯誤の実験人生

日々、PCや各種デバイス、楽器等に翻弄されながら電脳の森をさまよう男の日常と様々な実験をさらりと記しております。

虚像 ― リアリティショーと視聴者層である若者のネットリテラシー

May 29 2020

恋愛リアリティショーである「テラスハウス」の出演者のSNSに視聴者からの誹謗中傷が殺到し、その結果自ら命を絶ってしまうという事が起こりました。

自分はこの「テラスハウス」っていう物を一度も見た事はありません。
てっきり「ビバリーヒルズ青春白書」的な海外連続ドラマかと思ってましたが、ざっと概要を読んでみると

「台本がない」という台本のもと一つ屋根の下で複数の男女がシェアハウスする様子を記録したリアリティ番組である。

もうこの言葉だけで石橋貴明が演じるバブルスの如く、鼻からタバコの煙を出してしまいそうになります。
移動しない「あいのり」みたいなもんですかね。

あの手の番組でよう似たのに「未来日記」とかもありましたが、個人的には何がオモロいのかさっぱりわかりません。
せっかくの人生、人から限定されたシチュエーション、人から渡された筋書き通りに生きて何が楽しいのか。
そんな事をあの番組が放送されていた当時、口にしていた覚えがあります。
というより、テメエの人生でいっぱいいっぱいでそっちのリアリティに翻弄されていたとも言えましょう。
ラモーンズのギタリスト、ジョニー・ラモーンはインタビュアーから「なぜギターソロを弾かないのか」と問われた時、即座に「そんなヒマはねえんだよ!」と返したと言います。
それと同じ感覚で「作られた人サマの人生なんぞ見ているヒマはねえ!」といったところでしょうか。

今や誰もがスマホを持ち、それぞれ個人が発信出来るメディアとしてSNSを利用出来る時代。
・・・・いい時代になったもんです。
自分が高校生だった30数年前なぞ、パソコンをいじってるってだけで「暗い・キモい」と揶揄されましたが。
「いずれ大学でプレリュードかソアラに乗ったスポーツマンな彼氏作る!」とのたまってたクラスの女子に小声で「死ね」とつぶやいたものですよ、ええ。
面と向かっては言えませんでしたけどね。

時代は過ぎ、オシャレ写真にいいね!が欲しいために借金を重ねる、という本末転倒な人達もいるらしいですが、
そんな便利な時代だからこそ、そんな道具に振り回されてしまって人として大事な何かを見失うパターンもある。

この記事を読んで、これがもし本当の事ならここまでひでえのかと。

テラハ問題を理解できない若者たちの闇 「何が問題なの?」
https://www.news-postseven.com/archives/20200528_1566993.html

「学生に今回の件について尋ねたところ思わぬ反応があった。『テラハのファンだった』という女子学生の一人は、『彼女が亡くなったのは個人的な問題なのに、なぜ番組が叩かれるんですか? 番組を作っている人と、番組のファンが被害者です!』と言ってきた。このコメントには唖然としましたが、他の学生も『ネットの言葉なんか無視するべき、スルースキルがあれば起こらなかったと思う』、『アンチも養分だと思わないと。正直、続きが気になっていたし、新しく加入したメンバーがかわいそう』などとコメントをしていたんです。肩透かしを食らった気持ちでした。ここまで、言葉の持つ力は軽いものなのか。

これはもうアカン。
番組がどうこうってのは置いといて、そもそも何故こんな事になったのかを全く理解してない辺りが。

SNSの発達はスマートフォンの普及と共に急速に進みました。
自分の本業でもあるWebサイト制作でも「モバイルファースト」という言葉が当然になりましたしね。

インターネット老人会、と揶揄されるぐらいに長い事この世界に触れているからこそ思う事は
「放った言葉の向こうには人間がいる」という事を完全に忘れてしまっているんじゃないかと。

SNSという道具を手に入れた、便利になった。
しかしその前に「人間」であるべきという事を失念している人達が増えた気がします。

A氏はさらに、学生へ向けて「芸能人や著名人のSNSにコメントをする(リプライを送る)ことはどう感じるか? リプライしたことはあるか?」と尋ねたところ、多くの学生から「友だち感覚でリプを送れる」、「つまらない芸人には、リプで『全然おもんない』と送ったことがある、「ふざけてDMを送る友達も多い」などという反応があったという。同じツールを使う者同士、フラットな対人関係にあると錯覚するのではないか、と付け加えた。

その最もたるのがこれ。「距離感の喪失」。

そもそも俺とお前は友達か?というレベルから始まるのが人間関係の基本ってもんですわね。
芸能人相手じゃなくとも、若い女子のSNSにジジイ共が「おはようございます」と群がる光景は「公開」設定になってる記事を見るだけでいくらでも見つける事が出来ます。

夜中に平気で音声発信してくるジジイも普通にいる、という事例もたくさん女性音楽仲間から聞いてます(笑)
いやジジイだからこそそこはわきまえろや人生の先輩的に、と思うわけですが、あまりにも便利な道具を手に入れてしまったあげく、その道具に振り回されてしもてるわけですよ。

マッチングアプリで20代女子アカウント作るだけで、1日に100通ぐらいは「会えない?」「写真送って」とバカスカ釣れてしまう世の中になってしまってる昨今。
そりゃあ詐欺の被害金額も倍々ゲームで増えてしまうのも頷けます。

ええ年した大人がこれなら、若者がこうなってしまうのも仕方ないのかもしれません。
今までにはない出会いもあるし、悪い事ばかりではありませんよもちろん。
だけどやっぱり「人間として」の根っ子があって初めて道具も使いこなせるもんではないでしょうか。
二人の子を持つ親として、これは本当に徹底して教えて行かないとダメだなと身が引き締まる思いです。

リアリティショーといえばその昔「川口浩探検隊」というテレビ番組がありました。

子供の頃は毎回楽しみにしていたもんです。
たとえ結末が毎回尻すぼみ(笑)であっても、それはそれでエンターテインメントとして楽しめました。

でもきっと今なら

「マングースや血清まで用意してなんで半袖なんですか?噛まれますよね?」
「カウング島って検索しても出てきませんがどこですか?」
「こんな捏造垂れ流しやがって」

みたいなリプが殺到するんでしょう。

でもそれは「野暮」ってもんじゃないですかね。
だって川口隊長とお前は友達じゃないんだからそもそも。

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