ここ2年近く、再度石油販売業界に片足突っ込んでいる状態なので
このニュースにはちょいと驚きでした。
出光、昭和シェルと経営統合へ=33%の株取得、筆頭株主に―規模拡大で生き残り
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150730-00000094-jij-bus_all
石油元売り大手で国内2位の出光興産は30日同5位の昭和シェル石油の株式の33.3%を英・オランダ系石油会社ロイヤル・ダッチ・シェルから取得すると 発表した。取得額は約1691億円(1株1350円)。出光は昭和シェルの筆頭株主となり、経営統合に向けた協議を本格化する。石油製品の国内市場は縮小 が続いており、再編による規模拡大で生き残りを目指す動きが加速しそうだ。
東京都内で記者会見した出光の月岡隆社長は「昨年から継続的に話を進めてきたが、対等な統合を目指す」と強調。昭和シェルの亀岡剛社長も「企業の体力がないと石油の安定供給を担保できない」と統合に意欲を示した。
株式の取得は、2016年上半期に行われる予定。出光は昭和シェルを持ち分法適用会社とし、株式取得後できるだけ早い時期の経営統合を目指す。ガソリンスタンドとしての出光、昭和シェルの両ブランドは、統合後もそのまま維持する方針という。
出光と昭和シェルの直近(5月末)の石油精製能力は、日量で合計98万バレル。統合が実現すれば、国内首位のJXホールディングスの142万バレルに迫る規模となる。
ガソリンなど石油製品の国内需要は、低燃費車の普及や少子化・人口減少の影響などで今後も減少が続く見通し。経済産業省は、製油所の統廃合などを通じ、元売り各社に経営効率を改善するよう促してきた。
自分が正社員してた25年前はまだ日本石油と三菱石油が合併する前で
コスモ石油がその4年前に合併して出来たばかりでした。
あの頃は自分もまだ子供だったせいか、「合併」というのが絵空事というか
もしそれがあったとしたらとてつもなくすげえ事だなあ、という認識でした。
実際に働く様になってから
「ああ、そうか。ガソリンスタンドってのはガソリン売るだけじゃもうからないんだな」
というのを肌で感じるようになりました。
販売価格の半分ぐらいが税金で持って行かれるわけですから、入ってくる車を待つだけじゃ
人件費もペイできません。
そこでTOB(タイヤ、オイル、バッテリー)や作業料金(洗車、整備など)など
車に対するあらゆる物を取り扱う事によって成り立っているわけです。
そういう事を子供なりに少しずつ社会の仕組みってえのを理解していったんですわね。
20数年ぶりに復帰(とはいえ販売・作業には一切関わらない)してみると
自分が正社員やっていた頃よりは給料が8万ぐらいは下がっており、離職率はアップ。
洗車などもコーティングのメニューが増えており、最上級のメニューなんぞ数万円レベル。
レンタカーどころか保険や個人リースなども取り扱っており、そこで働く人達の負担は
当時よりかなり上がっていると思います。
しかも、それでお金はめちゃめちゃ安いわけですからちょっとひどいなあと思います。
高校新卒の子の給与明細見た時は正直血の気が引きました・・・
あれで将来に夢を見ろ、ってのはどう考えても無理です。
「それが普通だ」と思うしかない現実がこの上なく悲しいのですが。
エコカーなどが増えると販売店にも設備を設置しなけりゃなりませんし
様々な負担軽減・対策の為にこれからは業界の再編が続くのかも知れません。
国内市場占有率3位の昭和シェルと4位の出光興産の合併で
現在一人勝ち状態のENEOS(JX)に一気に肉薄でき、圧倒的な2強が出現するこの合併。
これがうまく進むとゼネラルとコスモもなんらかの動きがあるかもなあ。
そこで働く人達が報われるような業界再編であればいいのですが
あちこちで閉店したガソリンスタンドの跡地(解体するのもお金がかかる)を
見かける度になかなかそれも難しい気がしています。
出光と昭和シェル、「対等統合」で目指すもの
http://toyokeizai.net/articles/-/78918
石油元売り大手5社、すべて赤字転落の衝撃
http://toyokeizai.net/articles/-/59608