漫画家の土田世紀さんが肝硬変の為、43歳の若さで亡くなられました。
土田さんの漫画で思い出すのはやはり「俺節」。
改めて調べてみると1991年から連載開始という事なので
あの頃僕はちょうど20歳だったようです。
ちょうどサラリーマンをやめて、もう一度やりたい事をやろうと
暗中模索で過ごしてた日々だったので、
あの漫画(とはいえ毎号スピリッツを買ってたわけではなかったですが)に流れる
「熱」にものすごく共感していたのを思い出します。
次は「ありゃ馬こりゃ馬」。
この作品は原作者に当時は「天才」として名高かった騎手、田原成貴氏とタッグを組み
競馬界の裏舞台をおもしろおかしく描いたものでした。
当時、ダービースタリオンにハマりまくってたせいもあってか
このマンガも毎回楽しみにしていたものです。
そして「編集王」。
マンガ業界を描いた作品ですが、この作品の主人公であるカンパチのキャラが
ものすごく個人的に大好きで、特にコミックス1巻の彼のセリフ群には
今でもグッとくる物があります。
「やるだけやってそれでおもしろくなきゃそれでいいのよ!」
また次があるから、今回は適当に・・・とすまそうとする周りの流れに
真っ向から逆らって「まだやれる事がある」と一人食い下がるカンパチに
「そうそう、こういう熱さを忘れてはだめだよな」と教えられる気がします。
今回の訃報で土田氏が僕と同世代って事がわかって、少しびっくりしました。
話や絵の泥臭さからして、もう少し上の世代の方だと思っていたのですね。
Dragon Ashのベーシストである馬場育三氏も先日46歳で亡くなられました。
自分と同じ40代の方の訃報が続くので、正直気持ちが落ち込みます。
確かに自分も若い時とは違い、身体のあちこちに違和感がありますし
医療費も年々増加してきています。
ほぼボヤくように発したこのツイートに返ってきた言葉が
「不惑とは、それを悟ることなのかも知れませんね」という物でした。
40にして惑わなくなる、という意味で捉えていたこの言葉、
もしかしたら「衰え、そして終わりの時が見えるからこそ迷わなくなる」という
解釈もあるのかと目から鱗が落ちる思いでした。
そういう意味では自分自身、まだまだ不惑というわけにはいかないようです。
まだまだ、やり残した事がいっぱいありすぎるし整理もできてはいません。
残された日々を意識して、目の前の今日を精一杯生きる覚悟を
そろそろ自分の中に自然に置いておけるようになりたいものですね。
土田氏、馬場氏のご冥福をお祈り致します。
そして夢を見せてくれて、熱き言葉を教えてくれてありがとうございました。