「不夜城」を読んでからすっかり馳星周氏の世界に引き込まれてしまいまして、
彼の小説は出る度に買って読んでたんですけども、
「トーキョー・バビロン」を読んでからちょっと間が空いておりました。
最近、ゆっくり本を読めるのが風呂の中だけ、という事もあったのと
司馬遼太郎の歴史小説ばっかりに興味が移行してたせいもあり
馳ノワールの世界を風呂の中で読んでしまうと、よけいに疲れてしまいそうで(笑)
「そうそう、馳さんってあれからどんな小説出したんだろ」とamazonを検索して
パッと目についたのが「美ら海、血の海」。
ゲーム、「龍が如く3(馳氏はこの作品からシナリオ監修を離れている)」の
舞台が沖縄だったせいもあるのか、なんとなく「おお、沖縄ヤクザの話かな」と
思ってしまい、即ポチってしまったんですけれども
届いて読み始めてみると、なんと沖縄戦そして鉄血勤皇隊のお話でした。
馳さんと太平洋戦争というのがめっちゃめちゃ意外でしたけども
さすが「死」を司る表現に長けた馳さんの文体で書かれる沖縄戦は
ものすごいスピード感で、あっという間に読み終わってしまいました。
ストーリーのネタバレになるので、あまり詳しくは書きませんが
「たった一瞬の行動」で全てを失う、という部分の絶望感を書かせたら
この人の文体はほんと読んでるのが辛くなるほどの臨場感なんですよね・・・
もちろんフィクションなんですけれども、沖縄でどんな事が起こってたかを
知るにはとてもいい小説だと思いました。
馳氏の最新作文庫になるんですけれども、次作がどんな作品になるのか楽しみです。