月に数度はギタリストになる僕ですが
機械いじりが元々好きだった事もあり、最近のギター関連のデジタル化への動きは
どちらかといえば大歓迎なほうです。
テクノロジーは進化を否定してはいけないもの、と思っているが故です。

ところがこの弦楽器をプレイされる人達(のみとも言える)は
デジタルを頭から否定しにかかる人が多く見受けられます。
これは本当、この楽器特有といっても過言ではない気がします。

たまに昭和から時代が止まっているんじゃないのか、と思うぐらいの
知識を振りかざし、失笑してしまうような言動をされる
おじさんギタリストの方をお見かけしますが
(例として「男は黙って直アン!」「アンプはフルテン!」など)
タチが悪いのはこういうセンセについてしまう若い世代のギタリスト達。
これはもう、なんというか。
一種の不幸としかいいようがありません。

ディレイの後にディストーションを繋ぐような事を平気で教えたりするので
各エフェクトに関する知識がムチャクチャなままだったりするんですね。
「これは先生におしえてもらった!」ってドヤ顔で言われたりするんで
哀れんだ方がいいのか、泣いた方がいいのか本当に悩みます。

そして決まってこの言葉を口にします。

「マルチ(エフェクター)の音ってデジタル臭いじゃないですか」

でました。デジタル臭い。
だいたい、デジタルって言葉と臭い自体がリンクしそうにないんですけども
この言葉は本当に会話の中でよく出てきます。
それどころか製品の紹介文にも出てきたりしますよね。

僕はこの言葉、実は意味がわからないんですよね。
40を超えた自分としてはオトナの対応として
「ああ、はいはい。そうですね。」と相槌は打ちますけどw

このサイト(PCオーディオとか様の「デジタル臭い音とは?」)には
とても共感できる内容が書かれています。

もっとかみ砕いた言い方をすると
「お前、デジタル臭いって言いたいだけちゃうんか」と。

ギタリストに限定すると、たぶんこういう出来事があってそうなったのかなあ・・・

■マルチエフェクター買ってみました。便利そうだから。
 ↓
■マニュアル読んでみた・・・・・
 ↓
■いっぱいつまみがあってわからない・・・・・
 ↓
■・・・・・やっぱり男は直アン!(オレが使いこなせない、という事は)マルチはクソ!
 ↓
■「ああ、マルチねー。あれってデジタル臭いからさー」

9割はこれに当てはまる気がします。
得てして、こういう事を言う人ってプリアンプとパワーアンプの違いも
実はわかってなかったりするんで、
PODやGTシリーズをまともに接続すらできない、という事ですからね・・・・

僕自身、一番これが大事だなと思っている事は
結局は「アンプから出たその音が全て」だと思うんです。
途中経過がデジタルだろうがアナログだろうがそんな事はどうでもいいです。

そして、ギタリストたるもの、人前に出て発表する事もあるでしょう。
演奏する相手がそんな事気にしてるのか?という事実。
そんな事を気にするのは、同業者だけですからね。
圧倒的多数の普通の人に向けて、「これはこうです」なんて言う事は正直、粋じゃない。
あなたは誰に向けて、その演奏をしているの?って事を忘れてはだめですよね。

これはどの仕事にも当てはまるテーマでしょう。
「化学調味料使ってません」とかいちいち看板にあげてるラーメン屋が
なんとなく好きになれないのは、僕自身こういう考え方だからかも知れませんね。