一息つくのに缶コーヒー、というのが昔からの習慣でして
新しいモンを見かけるとつい買って飲んでしまいます。
本日見つけたのはこの二つ。
サントリーのニュースリリースはこちら。
http://www.suntory.co.jp/news/d_sbf/sbf0118.html
キリンビバレッジのニュースリリースはこちら。
http://www.kirin.co.jp/company/news/2014/0424_03.html
各社、ブラジル関連の製品を投入しているみたいですが
恐らくこれはワールドカップの開催に合わせてのものなんですかね。
缶コーヒーって新製品が投入されてもあっという間に製造終了になる事が多く
いつぞや気に入ったBOSSの「黒の微糖」なんかはすでに製造終了してます(笑)
どっちも飲んでみてそれなりにおいしいな、とは思いましたが
正直細かい味の違いが分かるような繊細な舌は持ち合わせておりません。
そんな事を思いながら過ごしていると一人の先輩が頭に浮かんできた。
高校を出てすぐに就職(唯一の正社員時代)した時にお世話になったMさん。
Mさんは僕が配属された営業所のナンバー2にあたる地位の方で
すこしアゴがしゃくれていたので、案の定みんなには影で「シャクレ」と呼ばれており
当時、ほぼ絶滅しかけていた「マイカーの中は土足禁止」というルールで生活していて
やっぱり猪木みたいな喋り声で、しかも独り言がとても多いので
横で作業していた所長が「あいつうるさいねんw」と事務所から逃げてくるという
まあ、「少し変わったセンパイ」だったわけです。
ある日、車の事にとても疎い(今でもだが)僕に
「おいGakuよ。セフィーロとシルビアの違いはなんや?」と急に真顔で問いかけてきた。
どうでもいい、というか何の興味もなかったその質問を早く終わらせたくて
「え?そりゃ車名でしょ?」と答えた僕に、とても真剣な顔をして大(シャクレ)声で
「セフィーロはハードトップやろが!正式名称は4ドアピラードハードトップやけどな」
と、ますます興味を持てない答えが返ってきて、とてもやりとりに困った事を思い出す。
そのMさんの特技というのが「飲むだけで缶コーヒーの銘柄がわかる」という
ますます本当にどうでもいいもので、あまり本気にしてなかったのだけども
ある日、他のセンパイ達と「あれ、ほんまかどうか試してみようぜ」と
5種類の缶コーヒーをそれぞれ持ち寄り、仕事後にMさんにお願いしてみたのでした。
目の前に並べられた5つのコップに入った缶コーヒーを見て
「ほほー、これはなかなかヘヴィーなイベントやな」とご満悦のMさん。
他のセンパイ達は「(なんでそこでヘヴィーって言い方やねん・・)」と
小声でクスクス笑っていたが僕も全く同感だった。
しかし、一つ目のコーヒーを注意深く真剣に口の中で味わっていたMさんには
そんな事は全く気にならない様子だった。
「うーん・・・・このコクと甘み。これは・・・チェリオのブルース、微糖やな!」と
見事にブランドと種類を当ててしまったMさんに僕たちはとても驚いた。
まさか大阪高槻に本拠地があるマイナー飲料メーカーの缶コーヒーを
飲むだけで当ててしまうなんていう芸当が出来る人が目の前にいるなんて・・!
他の4つのコーヒーもMさんは全部言い当ててた記憶があるけども
「チェリオのブルースやな!」と言い切ったインパクトのみが
あれから20年以上経った今でも、僕は記憶から消す事が出来ない。
翌日からMさんは、各自が買ってくる缶コーヒーに対してウンチクをタレ始め
それから数ヶ月もするとMさんの前で缶コーヒーを飲む人はいなくなった。
だってめんどくさいもん。本当に。
今、どうしてはるのかなMさん。
相変わらず車の中は土足禁止なのだろうか、そしてブツブツと独り言を
シャクレ声で呟きながら仕事をして、チェリオのブルースを飲んでいるのだろうか。
僕はあなた程の舌を持ち合わせていませんが、相変わらず缶コーヒーは好きです。
May the Coffee be with you.