月亭可朝師匠(あえて師匠と書く)が80歳で永眠。
そのニュースに落語家・漫談家とあちこちが書いてる通り、かの米朝師匠の一番弟子だったという実績がありつつも、やっぱり世間は「嘆きのボイン」だったりするんだなあ、という印象を受けました。
「嘆きのボイン」のリリースは1969年。
自分が生まれる2年前の話なんですが、なんでこの曲を幼い頃から知ってたのかが思い出せない。
月亭可朝という存在をはっきり知ったのはきっと嘉門達夫氏のアルバム「天賦の才能(1992年)」かも知れません。
20歳ぐらいの時、嘉門達夫氏のアルバムを色々買ってた時期がありまして。
この「天賦の才能」の1曲目に「アカペラな夜」という曲が収録されてるんですが、その曲には色々な芸人さんの本物のネタが収録されていました。
なぜかこの曲を地元、淀川工業高校が合唱で完璧に再現している動画を発見(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=-jIh66Hm4uU
STARDUST REVUEの要さんも参加したアホな歌詞のアカペラコーラスに紛れて飛びだす、横山ホットブラザーズさんの「お~ま~え~は~あ~ほ~か~」のノコギリネタなど。
その中に月亭可朝師匠の「いやーほんまにね。こらほんまですわ。イヤホンマ」だけで笑いを取りまくる所があったんですね。
で、そのアルバムが出た前後ぐらいですかね。
深夜放送で嘉門達夫氏の番組がありまして、そこに月亭可朝師匠がゲストで出演。
その時に録画したVHSビデオからYoutubeにアップしたのがこれ。
この時に「出てきた男」を初めて聴いたんですが衝撃でした。
冒頭の映像にトラッキングノイズが出てるのはきっとあのフレーズをコピーしようと何度も巻き戻したせいかもしれません。
後で音声だけをカセットに録音して、それを使ってコピーしましたね(笑)
この番組では「嘆きのボイン」を嘉門達夫氏とショートバージョンでデュエットもしてましたが、そちらはあんまり面白くなかったんですわね。
それよりも、師匠が話す「飛行場の荷物リフトに乗って一周回ってきたら1万円くれるか?」みたいなエピソードや、会った人の誕生年を干支で覚えてるという驚異的な記憶力(たまに「あ~~知らん」となる人もいましたが)に、なんちゅうおもろいおっさんや、とものすごいインパクトがあったんですわね。
そしてこの「出てきた男」は自分の数少ない「持ちネタ」として身体に入りました。
イベントでの出し物で披露したり、まさかのバンドメンバーの結婚披露宴でも披露したりなど。
そして実はその後、可朝師匠に一度だけお会いしてるんです。
営業の演奏で新阪急ホテルに出向いた時に、たまたまロビーで見かけたんですがその時に自分のギターを持って「あの、僕大ファンなんです。嘆きのボインもコピーしてます。よかったらサインしてもらえないですか」と。
「ほうか。君、変わったやっちゃな・・」と半ば呆れた感じでしたが、
「今これしかないけどええか?」と師匠が出したのはホワイトボード用のマーカーペン。
いや、自分もなんぞ書くもん持って行けよって話なんですがね。
「ほいおつかれさん。がんばりや」と書いてくれたサインは10分で消えました。
この流れそのものが、ああ月亭可朝だなって感じさせてくれたのも事実(笑)
最近はストーカー事件での会見でのふざけっぷりにめっちゃバッシングされてましたけども、あの後結局関係がヨリが戻った、という事を週刊紙にしれっと話すのも、師匠らしいなあと。
https://www.news-postseven.com/archives/20110925_31608.html
色懺悔といえば、2008年に50代の女に繰り返し復縁を迫る電話をかけてストーカー規制法違反で大阪府警に逮捕された件。この事件の真相を話しますわ。
その女とは7年間付き合ってたんやけど、ワシにも女房がいて、相手にも亭主がいるW不倫というヤツや。ところがその女がワシとは違う男と不倫して外泊したと聞いて、怒鳴ってやった。反省した様子もないし、そのうち電話に出なくなったから何回もかけたら女が怖がって警察に逃げ込んだもんやから逮捕された。
ここからが後日談なんやけど、実は罰金を支払って警察を出た2日後、街でバッタリ女と会った。その足で一緒に飲みに行って、女の家に泊まり、その後も1年間付き合ったんや。刑事さんに「ヨリを戻しましたで。逮捕して後悔してるやろ」と挨拶に行ったら、苦笑いしてましたわ。
この人を食った感がやっぱりすごいなあと思ってしまうのですよね(笑)
きっと天国でも色んな事やってはるんでしょうなあ。
師匠のWikipediaは最近、色々と追加されてますがどれもめっちゃ面白いです。
前は「エイプリルフールに家が焼けたと言い続けてたらホンマに焼けた」とかも掲載されてたんですが、また続々とこれからも追加されていく事でしょう。
色々とお疲れ様でした。ゆっくりと休ん・・・・無理やろなあ。いやホンマ。