入院してもた、という事をSNSなどで報告したので、
それこそ何年ぶりやって友達から色々と連絡をもらったり、久々に話し込んだりした。
自分が50手前って事は友達もみんな同じ年齢。
それぞれの事情・体調なども聞きながらも、懐かしい話に花が咲いたりもする。

人生がもし80年とするならば、とっくに折り返し地点は過ぎている。
懐かしい友達と話して忘れていた事を思い出したら、その風景はやはり当時の事が多い。
あの時みんなで遊びに行ったねって話を共有するも、それが全員誰だったかは思い出せなくて、話してく内にパズルのピースが埋まるように風景が完成されていく。
そして、時はお互いの現実に戻る。

もちろん、みんな良い事ばかりでもなくそれなりに大変な人生を送ったりもしている。
「んじゃあ早く治せよ」と会話を終わらせた時に、頭の中に流れてきたのは1984年のこの曲。

エルトン・ジョンの大ヒット曲「Sad Songs(Say So Much)」。
僕は洋楽を聴き始めたのが1980年なので、この曲がエルトン・ジョンの初体験となる。
「Your Song」も「Good-bye Yellow Brick Road」もずいぶん後から聞いた。

1984年当時はMTV全盛期。
この曲のPVは確かなんぞの賞をもらってたはずで、当時の僕もこの曲はこのPVが最初。
ネオンサイン以外、モノクロームの映像の中でエルトンだけが原色なのがとても印象的。
そして、場面場面に登場する人物の表情がみんなとても疲れているのは、きっとこの曲で歌われている内容とリンクしてんだろうな、ぐらいにしか思ってなかった。

エルトン・ジョンの歌詞は紆余曲折ありましたが、ほとんどの曲はバーニー・トーピンによって書かれている。
この曲が収録されている「ブレイキング・ハーツ」はバンドも全盛期のメンツが復活した時に録音された物で、作詞も全曲バーニー・トーピン。

昔のシンガーの唇から発せられる言葉達。
ラジオの音を僕たちみんなが聞く必要があるんじゃないか?

歌詞の中には 心の中に響くものがある
それはついに君へと届く
ひどく傷ついた心には心地いい
十分に苦しんだから ブルースが歌える

すべての望みが消えてしまったら
ほら 悲しい歌たちが多くを語ってくれる
すべての小さな希望が消えてしまったら
悲しい歌たちが 多くを語ってくれる

パッと聴くと軽快な曲ですが、語られているのは
「もし君が絶望してしまったら、ラジオのスイッチを入れて古いシンガーの悲しい曲を聴くんだ」という内容。

PVの内容がすっと腑に落ちると同時に、なぜこの曲が急に頭の中に蘇ったのかを考える。
色んな事を抱えて折り返し地点を過ぎて走る自分達とPVの中の登場人物が重なったのかな。
すでにモノクロームに塗られてしまった、とは思いたくはないけども、
出来れば残りの時間も、PV中央のエルトンの様に原色で輝いていきたいもんである。