6時に強制的に部屋の灯りがつく。
検温や血圧など病室が騒がしくなる。

もうなんの検査もないので気持ちはとても楽である。
身体には点滴もなにも刺さっていないので身動きも自由。
朝食を食べて、薬を飲む。
この薬はずっと飲み続けなければならないらしい。
若い時、常に薬を持ち歩かなきゃならないっていうのはなんて面倒な・・・って思っていたが、もう自分もそういう年齢になってしまったという事か。
FacebookやLINE経由で、同級生からたくさん「大丈夫か?」とメッセージをもらったせいか、やたらその時の事を考えたり話したりした。

色んな映像が頭に浮かび、色んな話を思い出す。
当時はわからなかったけども、きっとあの頃は時間なんて無限にあると思っていたはず。
何か1つでも形になったのだろうか、という事も考えたりしたけども
そもそも何を目指していたのかすら忘れたのかもだし、元々なんも考えてなかったのかもしれない(笑)

リハビリテーションの先生が来てくれて、足の状態を最終チェック。
やっぱり、足の状態は「うっすらとハリが残ってます」という状況らしくて、
家に帰ってからも無理はし過ぎないように、というアドバイスを頂く。
とはいえ、あまりにもビビりすぎて運動しなさ過ぎても、筋肉は衰えていくばかりらしい。

心臓に負担をかけないように、身体を鍛えるという眼目で生活していく事を考えて、と。
ウォーキングと筋トレの簡単なメニューを教えてくれたので、それを実践しなきゃ、だ。

退院にあたっての精算、そして副作用救済の申請などもしているとあっという間に夕方。

日射しが傾いてくる病室。
もともとは陸軍の病院だった、というこの歴史ある病院。
建物も増築に増築を重ねているせいか、建物内にスロープがあるというバリアフリーな世の中からは考えられない状態で運用されている。

この1週間で、心臓に爆弾がある事が判明し、そして0.01%の確立という薬の副作用を引き当てた。
ほんまに人生何があるかわからんし、若い頃に思った「時間は無限」というぼんやりとした物は消え失せてしまった。

世話になったベッドの周りを片づけて迎えを待つ。

外来受診はこの先も続く。
その時に血液検査もするのだろうか。
今でも異常値を示しているこの段階で退院して日常生活に戻るのはやっぱり不安はあるんだけども、痛みと相談しながらでも元通りの生活に戻るように頑張って行こう。

9日から18日までの10日間はこうしてきっちりと記録に残した。
いつかきっと懐かしく見返す時も来るんだろうな。

副作用救済の申請の結果が出るのは10ヶ月後だそうで。
・・・・その時にはさすがにきっちりと治ってる、はずである。

さて、お家へ帰ろう。
まずはお風呂にゆっくりとつかりたい。