昨日、ふとRTで流れてきた情報に一瞬思考が止まった。

「ウィルコ・ジョンソン、末期膵臓ガンを公表」

http://www.cinematoday.jp/page/N0049223

ウィルコ・ジョンソンといえばパブ・ロックの王者とも言えるバンド、
ドクター・フィールグッドのギタリスト。
The Whoのピート・タウンゼントやThe Clashのミック・ジョーンズと同じぐらい
僕自身のスタイルを形成する中でとても影響を受けました。

「ステージ上では身体すべてを使って表現する」という事において
この3人からは今でも学ぶ事がとても多い。

特にドクター・フィールグッドの音楽はビートルズ~ストーンズと聴いてきた僕を
ブルースへと導き、その後に続くロンドンパンクムーブメントへと導いてくれたので
あの時、心斎橋のタワーレコードで「Down By The Jetty」をジャケ買いしたのが
今振り返ってみるとかなり重要な出来事な気がします。

「お。いい面構え。買ってみよう。」
という何とも頭の悪そうな理由で買って帰ったのですが、1曲目の
「She Does it Right」から聞こえてきたマシンガンの様なカッティングに
すっかり耳を奪われてしまい、後日買ったライブビデオでの映像でやられてしまいました。

http://www.youtube.com/watch?v=3uFRm-OFzpw

ウィルコはこのバンドを脱退という形で去り、
ヴォーカルのリーもすでに亡くなっています。
バンドは完全に別人ですが今でも続いているそうです。

単独でもよく日本公演に訪れてたウィルコは
ガンが発覚してすぐに日本でのライブ日程を組み、昨日東京でのライブを行いました。

治療を拒否し、あくまでもステージを行う事で自分の存在を残すような日程。
昨日のライブ終了後のMCでは
「ありがとう。もう二度と君たちには会えないけど。」って言ったそうです。

8年ぐらい前に、16歳からずっと一緒だった最愛の奥さんを亡くし
常日頃から「生まれ変わってもまた彼女と一緒になりたい」と言ってたウィルコ。

ギターは3本しか所有せず、奥さんに助けてもらって買ったギター以外は
「ただの木片だ。今すぐ売ってもなんの未練もない。最初の1本は別だけど」とか
常日頃から奥さんへの想いを語ってたので、
ステージをやるだけやりきったら、空の上の奥さんに会いに行くつもりなんでしょう。

・・・とでも考えなければ、残される側は寂しすぎます。

音楽家としての引き際の形を示してくれるかのウィルコの行動を
僕は静かに見守りたいな、と思っています。

16日の京都公演、行きたいんやけど無理だからなあ・・・