浪速のブルーズマン、というフレーズで誰を思い出すのか?という件について
まずは憂歌団!が出たりするのはとりあえず置いておいて
やっぱり僕は月亭可朝師匠以外が頭に浮かばないのです。

破天荒な芸人、という言葉そのものを絵に描いた様な師匠の生き方、
そして2つしかコードを知らないしチューニングも楽屋の誰かにやってもらうという
そのエピソードそのものがもはやブルーズしているわけですよ。

例のストーカー事件の後、テレビインタビューに登場した師匠は
ちゃんとカンカン帽を被って登場して、代表曲「嘆きのボイン」のメロに乗せて
「可朝は7年間不倫してきてその結果~警察に御用やで~」とコメントし
そして「今まで言う事を聞いてくれてありがとうございました」という
月亭可朝というパブリックイメージに対して聴衆は何を求めているかという事に
プロとして全力で応えるという姿を見せてくれました。
あれを「プロ」と言わずしてなんと言うか。
もちろん大バッシングを受けていましたが(笑)
しかも、結果的にストーカー見たさで仕事は逆に増えたそうでww

師匠は立派な落語家なんですが、やっぱりギター弾いて歌うあの姿が
世間には浸透している様子で。

師匠の1969年(!)のデビューシングルである「出てきた男」のライブ映像はこちら

師匠が弾くオブリには、やはり師匠ならではの間や哀愁がありますね。
これは簡単にコピー出来るニュアンスではありません。
しかし、この2つだけで翌月に発売された「嘆きのボイン」も作られてるわけですがw

https://www.youtube.com/watch?v=9V8gZWb1JcI

ちなみにカップリングの「女は魔もの」も全く同じ2コードの曲です。
このワンスタイルオンリーはもはやジョン・リー・フッカーのブギーみたいなもんで
師匠のスタイルとして昇華されている気がします。

この泥臭い哀愁漂うマイナーブルースはどうにも改変出来ないだろうと
思っていたのですが、あのレリゴーのMay J.さんが凄まじく綺麗にカバーを
している映像を発見してしまいました。
これはもう笑うというよりかはただただ感動してしまいます。

https://www.youtube.com/watch?v=9PaxNdNGK5U

「星に願いを」に乗せたイントロも曲のテーマからはかけ離れていますが
編曲というのはやっぱりすごいんだなーと思う事例でありました。

「上げ底のボインは~」からのアレンジがまさに秀逸。

でもやっぱりオリジナルが一番好きですけどねw