よく巷で言われる「断捨離」ってのがどうも極端な気がして全く馴染めないのですな。
断って、捨てて、離れるねえ。
そんなもんをガッツリ実行出来てたら、30年以上もダラダラとギター弾いてないよね。
人生という物を最重要点に置いて、という視点で見ての話ですが。
ま、人間関係に至ってはすっぱり断ち切るのが一番良かったりもしますが、物は思考を持ちませんので。

また本棚がいっぱいになってきたので少し整理しつつ、並べ替えなどを。
そこでバサリと落ちた本がこれ。

高田康男さんという方が書いた「エレキ・ギター入門」という本。

発行は「音楽之友社」で第一刷は昭和55年。1980年か。
この本はちょうどエレキギターを買った14歳の頃(1985年)になんとなく手にした本である。
まずは確か「ヤング・ギター」とか買ったんだけども、当時はハードロック・メタル1色でそれがやりたかったわけじゃない自分にとってはすぐに飽きてしまいましたが故に別のアプローチを求めて買ったんでしょうきっと。

パラパラと読んでみると、文体にものすごく古さを感じますが教則本というよりは「考え方」の本であり、どちらかというとコラムの集まりで構成されている。
もう「サイドギター」と「リードギター」っていう項目の分け方からして古い(笑)
今はもうそんな言い方自体しないんではなかろうか。大事な事ではあるんやけども。

コラムの外に「ミニミニコーナー」として「ちょっと気になるギタリスト」として取り上げられてるのが

  1. フィル・アップチャーチ
  2. コーネル・デュプリー
  3. エリック・ゲイル
  4. ジョージ・ベンソン

という、今から考えてもあまりにシブすぎる人選。
当時のヤング・ギターってそれこそエディ・ヴァン・ヘイレンを筆頭にジェイク・E・リーやらジョージ・リンチにジェフ・ワトソン/ブラッド・ギルスなどなどがテンコ盛りだった気がしますが、この本には名前すら出てきません(笑)
というか1980年に第一刷出版なら仕方ないか。もう少し後の話ですもんねこれらの人達は。

「サイドギター」の項目で書かれている「オススメギタリスト」は以下。

  1. ジョン・レノン(これは納得。アンサンブルの引き算と勢いを同時にセンスでやってのけるのはジョンならでは)
  2. スティーブ・クロッパー
  3. デヴィッド・T・ウォーカー
  4. レイ・パーカーJr
  5. ドン・ウィルソン
  6. アル・マッケイ
  7. ジェイ・グレイドン
  8. ヒュー・マクラッケン

と、オイオイなんじゃこの人選、めっさシブいやんと大笑いしてしまいました。
これを読んでた当時の僕はきっとこの辺りは無視して読んでたんやろうなあ。

この方はきっとギターが大好きで、あらゆるジャンルのギターを聞いてはったんやろなあと久しぶりに読んでみて感じました。
特に「ギターに対しての取り組み方」は今でも普通に通用すると思います。
結局「何かに向かって努力する」っていうのは時代が変わっても近道なんぞないってこってすわきっと(笑)

もちろんネットなどまだない1980年。
今、この高田康男さんって方は何してるのかなあと検索してみると見事に本の著者としての情報しか出てきませんでした。
もうギタリストとしての活動はしてはれへんのかもですね。
そして、見つけてしまうこのレビュー。

37年の間にさまざまな事が起こったんでしょうね。
時代はあっという間に変わっていくし、それぞれの立ち位置もめまぐるしく変わっていきます。
そんな中でどう生きるかというのはしっかりと己と向き合う必要があるからこそ、人は断捨離などという物に縋るのかな。

読み終わって再度この本は本棚に戻しました。
自分にとってはまだまだ必要な内容なので。