熱で寝込んでる最中、ガバッと大人買いしたマンガをずっと読んでいました。
「大阪豆ゴハン」の時から大好きだったサラ・イネス(当時はサラ・イイネス)先生の「誰も寝てはならぬ」。

この先生の描く漫画は世に溢れる漫画の中で最も「大阪的ネイティブ」を表現している漫画と個人的には思っております。
セリフの間、応酬、おっさんおばはんの描写などなど他府県の方には「ホンマカイナ」と思われるかもですが、大阪に生まれ育った人にとっては、あまりにも日常に寄り添い過ぎてて違和感を抱くヒマもありません(笑)

「大阪豆ゴハン」ももちろん全巻保持したままですし、この「誰も寝てはならぬ」いつか読みたいと思ってましたが、お家にポンと届くお気軽さに釣られて買ってしまいました。

この「誰も寝てはならぬ」は東京の赤坂にあるデザイン事務所が舞台になってますが、主人公の二人(40手前のおっさん)はバリバリの大阪人という設定なので、全ての話題はオオサカテンポで進んで行きます。
この辺は前作「大阪豆ゴハン」とほぼ変わりありません。

あと、強烈な大阪のおばちゃん予備軍である女性達も前作と同じく健在。
前作は3人の姉に振り回されまくる末っ子の弟という立ち位置のキャラがいましたが、今回の主人公の片割れにも二人の姉、そして遠縁のお姉さんという3人がいて劇中でも振り回されまくります。

テレビで見る上沼恵美子を「あんなおばさんいるのかなあ?」と疑問の他府県の方、心配いりません。
大阪にいる女性の8割以上はいずれはああなります。
天六の商店街で「おねえちゃーん」と大声を上げると、ほぼ全員が振り返るという伝説も大袈裟ではないのです。

「誰も寝てはならぬ」全17巻、あっという間に読み終えて思う事は
姉がいる生活(大阪で)」というのはこんなにもオモロいものなのか、と。

無い物ねだりは承知の上での話なのは間違いないのですが、姉がいなかった自分にとってこれは憧れに近いモノ。
少なくとも小さい頃からこれを見て育っていると「女性に過度な期待をしなくてもすむ」というのは培われるはず。

そういえば昔、群ようこさんの「無印OL物語」が家に転がってた事があって、なんとなく読んだ事がありますがあれと似たような感覚のお話なのかも知れません。

年上の女性に振り回される、という経験もそういえばなかったですな。
友人の女性には
「その性格なら便利屋として使われる事はあっても、可愛がられるという事はきっとない
と、あまりにも的確な指摘をされているので確かにそうです、ええ。
年上の女性とお付き合いしたことなんぞ一度もありませんでしたよ、ええ。
電気屋さんとしてはよく出動しましたけどね。これは今でもか。

ふと我が家のチビらを見ると、姉と弟が並んでゲームをしている。
そしてすでに理不尽な内容で翻弄される弟。
このまま年頃になっていくと、マンガの主人公の様に「何を言うても無駄」という事を悟ったりするのだろうか。

自らの経験ではなかった人生を歩む我が家の長男。
せめて年上の女性に可愛がられるような大人になっていってほしいもんである。
電気屋さんとしてじゃなくね。