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話題の山本太郎議員による天皇陛下への直訴手渡しに関して
溢れかえる色んな意見について思う事がある。

ルールや常識は破ってこそ新たな道は開かれる、なんて事を言う人もよく見ますが
僕はこんな無責任な事は言いたくありません。

「気持ちさえ純粋ならば何をやってもかまわない」って言葉は
パッと聞けばいい言葉に聞こえがちですけども
それをじゃあ世界中の人間が一斉にやり出せばどうなるんだって事を想像出来るか、が鍵です。
これはもうテロリストと変わらない思考で、2/26事件の青年将校達も
これと同じ事を言いながら重臣達を次々と殺していったわけです。
「国家の為」という名目を盾に。

世に溢れる心のカウンセラーみたいな連中が
弱ってる人間から金を巻きあげるのは、たいていこういった
「その人が必要としている甘い言葉を売りつける対価」であって、
その人の行動にまで責任を持っているわけではない。
僕はこういう連中が心の底から大嫌いです。

ルールや常識には2種類あって、世間から見た自分と自分の内面にあるものの2つ。
それをごちゃまぜにして何でもかんでも壊しちまえ、と言うのは
いい大人ならばおかしいと気づかなければいけないと思うんですが。

僕自身が心がけている事は
「この行動を他の人間が一斉にやりだせばどうなるのか」
というボーダーラインで全ての行動を考える、という事です。

食事に行って子供達が床に食べこぼしたものを全部拭き取って帰るのも
演奏してる所をバシバシと写真や動画を撮る人間に対して怒るのも
全てはこのボーダーラインで判断しての行動。

今回の山本議員の行動はこの日本の成り立ち、そしてルールから見て
皆目おかしい事をやってしまったわけで、それに対して「気持ち」とかいうのを
最優先に持ってくるのはこれはもう危険この上ない思考。
(現状をお伝えしたい、という気持ちは理解できますが)

それにしても警護を担当してた側はあまりにもお粗末で、
何かを手渡そうとした人間に対してなんのアクションも取れてませんでした。
これが手紙だったからまだよかったものの、これがナイフやピストルなら
それこそ取り返しがつかない事態になってたかも知れません。

国家の最重要とも言える人物に対して、公の場で直接物を手渡すことを許した、なんて
色んな意味で最悪の前例を作ってしまったとしか思えないのです。