ハナモゲラボ / 試行錯誤の実験人生

日々、PCや各種デバイス、楽器等に翻弄されながら電脳の森をさまよう男の日常と様々な実験をさらりと記しております。

人の時間と能力を使う仕事を頼んだのならギャラは払おう

October 16 2014

Twitterで流れてきた話題の中で柳美里(ゆう・みり)さんのブログがあった。
7年間もの間、連載を続けている雑誌からギャラを受け取っていなかったという。

『創』休載の理由
http://blog.goo.ne.jp/yu_miri/e/5d4d7a14d483a42ec4d3ec53a1f02cc5

先月、意を決して、「稿料未払い分を計算して、振り込んでください。全額振り込まれるまで、次の原稿を書くことはできません」と篠田博之編集長にメールしました。

篠田編集長から、9月2日にメールが届きました。

「返信が遅くなって申し訳ありません。ショッキングなメールでしたので、考える時間が必要でした。
おっしゃること、もっともだと思います。何とかしようとは思っているのですが、大変な時期に力になれずにいて申し訳ありません」

篠田さん、何故、支払ってもらえない稿料を支払ってください、とお願いすることが 「ショッキング」なのでしょうか?

よくも7年間もギャラを請求せずに書き続けたなあ、とも感心するんですが
この編集長の物言いは本当に理解出来ない。
依頼を請けて時間と能力を使い、その対価としてお金をもらうという契約で始まる「お仕事」。
それを何年も無報酬でやってきたのに、「お金どうなってます?」という問い合わせをしたら
「ショッキングでした」って失礼極まりないというか、
もはやそれはもう「人」ではない気がする。
考える時間もクソもない。即刻支払うのが当たり前の話なわけで。

10月5日に届いた篠田編集長からのメールです。

「弊社から『黒子のバスケ』脅迫犯の手記がようやく発売になり、これが売れるとある程度入金もあると思いますので、可能になり次第、原稿料を振り込んでいきます」

もし、手記が売れなかったら、原稿料は支払われないのでしょうか?

知らんがな、って話ですこれも。
というかそんな状況ではもはや媒体としては全く成り立ってませんな。

このブログが話題になり、他の連載陣から「自分はずっと払ってもらってるけどなあ」と
ツイートが出たのをきっかけに事態はとっても失礼な方向にシフトしていく。

今日 14:04に、『創』篠田博之編集長に送ったメール
http://blog.goo.ne.jp/yu_miri/e/c47bf56d87eff56a64dc6635e9cb1c81

「本当はこちらが気を利かして連絡すべきものですが、なかなか余裕がない状況で申し訳ありません」
と篠田さんは言い訳をされています。
掲載した原稿に対して稿料を支払う、というのは、原稿執筆労働者に労働の対価を支払うということです。気が利く、気が利かない、余裕がある、余裕がない、の問題ではないのです。

「柳さんとは長いおつきあいだし、表現者として尊敬している人なので、誠意をもって対応するつもりです」

この言葉もおかしいです。
稿料は、長い付き合いだから支払う、表現者として尊敬しているから支払う、という筋合いのものではありません。
原稿執筆労働者は、肉体労働者が1時間いくらで働いているように、400字詰め原稿用紙1枚いくらで働いているのです。

もう言葉全てがライターという人達をどう思っているのかが顕著に表れている。
長い付き合いでもないし駆け出しの人間には誠意を持って対応などしない
と言ってるとの同じですな。

自分もフリーランスで音楽、Web共に長い事仕事してきているが
世の中には「金を払わずに人を使おうとする人間」って本当にいっぱいいるんだなこれが。
未払いで少額訴訟も何度かしたし、
「業者にいかに金を払うのを遅らせる事が出来るかが経営者の手腕」などと
酒の席ではあったが豪語していたおっさんも見た事がある。(後に失踪したけど)
「へー。オレも業者ですけど自分はたった1日も許しませんよ。」とその場の空気を止めたけど
自分はおかしい事を発言したなどとは未だに思っていません。

音楽しかり、創作物を納品という形で生計を立てる人達をこんな扱いする輩って
なんで何年経ってもいなくならないんでしょうね。
自分も若い頃そういう目にあったから、なんて言い訳する前に「自分はそうならないぞ」って
誓いを立てて大人になる事ってそんなに難しい事ですかね?

今日 19:40に、『創』篠田博之編集長に送ったメール
http://blog.goo.ne.jp/yu_miri/e/70f7e961c1c5a8674cb2d77a04cee0bd

「『創』の状況を理解した上で応援してくれていると都合よく考えてしまっていた」
という篠田さんの言葉に仰天しました。
私は、篠田さんにエッセイ連載の「仕事」を依頼され(原稿料を提示され)、納得できる条件だったので、エッセイ連載の「仕事」を受けたのです。

私は「応援」や「ボランティア」で原稿を書いたことは一度もありません。
何故なら、私は原稿を書くことだけで生計を立てているからです。
繰り返しますが、私は原稿収入だけで、家族を養っているのです。
「応援」や「ボランティア」で原稿を書く余裕は全くありません。

『創』編集長である篠田さんが「10年以上前から無報酬」だとか、一水会の鈴木邦男氏に「原稿料をそのまま出資に回していただいて株主になっていただいたり」などということは、私には全く関係のないことです。

『創』執筆者の一人である「阿蘇山大噴火」氏がツイッター(https://twitter.com/asozan_daifunka)で今日、 「柳美里さんの一件で月刊創が注目されてる!私も連載陣の一人だけど、12年間ちゃんとお金貰ってるけどなぁ。人によって何か違いがあるのかね?」とツイートしていました。

「阿蘇山大噴火」氏に毎月欠かさず稿料を支払って、柳美里に支払わない理由は何ですか?

散文されるメールからの抜粋の言葉が全て失礼にあたるなんて、
この編集長にはすでにわからないんだろうな・・・・・

というか、柳美里さんって芥川賞を受賞までしてるわけですよ。
そんなネームバリューのある人がこんな扱いされてるって事は
若くて実績もない駆け出しの人達がどんな風に扱われてるのかって目に見えるし
何より怖いのは作家を目指そうとする若い人達が減っていくという事ですよ。
業界自体の首を絞めてるってのが編集長という地位にいてなぜわからないんだろうか。

音楽の仕事でも同じ事が言えるけども
「それでもいいからこれで絶対に食べたい」という気持ちを逆にとって
どんな扱いしてもかまわない、なんて絶対に許される事じゃないんですが。

この騒動はとことんまで行きそうな予感がします。
しばらくは柳さんのブログに注目ですね。

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