先日、たまたまAmazonで見つけた面白そうなCDを購入しまして。
日本では「恋の片道切符」でよーく知られているニール・セダカのCD。
これの何に惹かれたかって初期のRCAで出したアルバム4枚とシングルが全部収録されている、という事。
ニール・セダカはもちろんまだご存命であり現役で活躍されてはるのですが、国内で手に入るのは50-60年代の曲ばかり入ってるベスト盤ばかり。
1962年の「悲しき慕情」のビルボード1位(実は本人にとって初の全米1位)以降、ビートルズを皮切りに第一次ブリティッシュ・インヴェイションが始まってしまい、長きに渡る「ドサ回り」時代を送る事になるんですが、再び全米1位を取るのはなんと13年後の1975年。
その何とも素晴らしい楽曲「雨に微笑みを” Laughter in the Rain”」はこちら。
70年代のアルバムも何度か再発されてはすぐ廃盤、そして80年代のアルバムに至ってはLPだけ出てCD化すらされてない状況。
そんな状況下において、初期RCAの4枚、そしてシングルが全てぶち込まれてたらそりゃ買ってみようかなと思いますやん。
しかもデジタルリマスターされてる、ってなるとね。
手持ちの音源はそれこそ90年代に買ったものなんで、アナログマスターをそのままCDに焼いてるもんやろし。
- Rock with Sedaka (1959)
- Circulate(1961)
- Neil Sedaka Sings Little Devil and His Other Hits(1961)
- Neil Sedaka Sings His Greatest Hits (1962)
の4枚とイタリア語など各国語で歌ったシングル曲などたっぷり収録されて・・・・
なんと1400円弱。
この安さがあまりにも怖かったんですが、ええい買ったれ!アカンかっても諦めつくわ!と。
で、実際届いてさっそく全部聴いてみたんですがこれがまたクリアな音。
英国の「Reel to Reel」というレーベルが出してるコンピレーションで、この初期アルバムとシングルぶち込むパターンで色んなアーティストの物が発売されてるようで。
聞き慣れた曲をええ音で再度聴き直すと色んな発見があって楽しい。
そしてもちろん、7割ぐらいが初めて聞く楽曲でしたがさすがはニールさん、ええ曲が多いです。
その中で1曲「あれ??」って思ったのが1st(1959)に収録されてる「All I Need is You」という曲。
このアレンジ・・・・サックスのフレーズ、だんだん盛り上がっていくメロディ展開・・・
これはあれですやん。ポール・アンカのアレですやんかいさ。
ポール・アンカの「ダイアナ」は1957年の全米No1。
いわゆるニールからすると先輩にあたり、しかもポールはデビュー曲がいきなり1位になったわけで。
ニールは翌年の1958年にようやくシングル「恋の日記」をなんとか14位にまで上げましたが、その状態で迎えるファーストアルバムの録音・・・
きっと、カーディガンを肩からかけたようなエライさんに
「ニールちゃんさあ、アレ、パクっちゃおうよ!」みたいに言われて渋々こういうのを書いたのだろうか・・とか考えてしまいます(笑)
そんなニールちゃんも1977年の「Hot And Sultry Nights」がまさか極東の島国のミュージシャンに引用されるとは思ってもみまい。
もうイントロからそのまま「あ~~、みずいろの雨~」って歌えてしまう凄さ。
ちなみに「みずいろの雨」は1979年の作品。
あの人は1980年の「パープル・タウン」でも一悶着ありましたね。
・・・こりゃ怒られてもしゃーないわ。
きっと50年代も、そして今もこういうのってきっと音楽業界にはどっか残ったままなんでしょうね。
古い物を集めて自分なりに再構築する、というのもいわゆるセンスの1つですし。
自分はパクリはアカン!って目くじら立てるつもりはこれっぽっちも思いませんし、楽しませてくれたらOKです。
1958年のニールちゃんは何を思ってこの「All I Need is You」を書いたのか、いや書かされたのか?
その1年後の1959年「Oh Carol」「Stairway to Heaven」が9位、1961年には「Calender Girl」が4位、「Happy Birthday Sweet Sixteen」が6位と続き、ようやく「悲しき慕情(Breaking up is Hard to do)」で1位になりはります。
それにしてもこの「Reel to Reel」レーベルのCDはとても良いです。
コニー・フランシスの初期アルバム買おうかな、とも思いましたがまずはチャック・ベリーかな~