演奏仕事の帰り道の車内。
最近、一緒に仕事をするようになった高校の頃からの友人(キーボーディスト)と
例の如く、色んな話で盛り上がる。

年齢を重ねる毎に「最近、何を聴いた?」って話題は消え失せていき
「最近、何が効く?」という薬とか健康方面の話が増えていく楽屋の風景ではあるが
やはり多感なティーンの頃を共に過ごした間柄というのは
ある程度の情報共有が最初から出来ている事と、想い出の補正効果が作用して
ジジくさい話にはならない、って事にこの帰り道車内で気づいた。

昨日、盛り上がっていたのはThe Whoの話題。
お互いブリティッシュロック、モッズ族というキーワードに当時かぶれまくってたティーンの頃。
自分はどっちかというと途中ロッカーズ方面に行ってたんだけども
やっぱりフーは別格。
もちろん先日の来日公演も二人とも行ってた。
(お互い、その会場にいたという事実を最近まで知らなかったけれども)

「そういえば『ライヴ・アット・リーズ』って持ってる?」
「もちろん。当たり前やん。」
「で、何枚?」
「(二人で)・・・・・ふはははははははは」

この会話でわかる人にはわかってしまうとは思うが
これはリイシュービジネスに搾取されまくってる男達の苦笑である(笑)

The Who最初のライブアルバムである「ライヴ・アット・リーズ」は1970年に発売された。
当初の収録曲は全6曲という少ない曲数であったが、
ロックのライブアルバムとしては、名盤に位置するものである。

しかし、CD時代になってリイシューとかリマスターが始まると
1995年に「発売25周年記念」として8曲がプラスされたものが発売された。
こんなもん、買うしかありませんやん。買いましたよもちろん。

そしてその6年後の2001年。
今度は「デラックス・エディション」としてCD二枚組になって再登場。
1995年版に「Amazing Journey / Sparks」が収められていたので
「これ、絶対『TOMMY』全部のライヴテイク残ってるんやろなあ・・・」とは思っていたが
まさかトータル33曲の2枚組が出てくるとは思いませんわ・・・


これも購入。これで3枚目。

極めつけは40周年にあたる2010年。
別の場所でのライブ音源が収録された「40周年記念ボックス」なんかが出やがりまして・・・

ザ・フー『ライヴ・アット・リーズ』、4CD+LP+EPの発売40周年記念ボックス!
http://www.cdjournal.com/main/news/the-who/34565

アホかーーー!

エディション40th Anniversary Super-Deluxe Collectors’ Editionは、CD4枚ほかを収めたボックス・セットで、『Live At Leeds』のCD2枚に、リーズでのライヴの翌日である70年2月15日に行なわれたハルでのライヴの模様を収めたCD2枚『Live At Hull』をセット。さらに、『Live At Leeds』の重量盤アナログ、7インチ・シングル「Summertime Blues / Heaven & Hell」のアナログ復刻盤、64ページのハードカバーブック、ピート・タウンゼンドのポスターが同梱されます。

『Live At Hull』に収められたハルでのライヴ音源はもともと、レコーディング作業のアクシデントからジョン・エントウィッスルのベースだけが抜けていましたが、今回のリリースにあたり、『Live At Leeds』の音源からベース・パートを抜き出し、編集でハルの音源にダビングしているようです。

さすがにこれは・・・・・買いませんでした。

こういう悲哀を「何枚?」だけでわかり合える関係というのは
本当はとても阿呆だ、という事なのかもしれません。

フーに関しては最近の未発表物のリリースっぷりは、本当に恐ろしいものがありまして
あの映像作品「The Kids Are Alright」に収録されたライブ映像の未発表ものが
完全収録された「アメイジング・ジャーニー」というのも強力な作品。

でも、やっぱりフーはかっこいい。
いつ見ても聴いても血が逆流する感じがします。
衝動をかき立てる何か、がザ・フーの音楽にはあるんよねえ。

「無法の世界」の別アングルバージョン