家に30年ぐらい転がってたYAMAHA MB-3を再生させるプロジェクト。
前回の記事はこちら。

修理 ― YAMAHAベース、MB-3を音が出るまで回復させる:その1

前回はネックの反りを治そうと思ったけど、サイズが合うレンチがなくてストップしておりました。
昔であれば楽器屋を探し回ったりしなくちゃならんのですが、今では翌日に届くので便利。
YAMAHAベースのトラスロッドは8mmのレンチで互換サイズの物がSCUDから発売されてます。

届いたSCUDの8mmレンチ。思ってたより小さい。

届いたSCUDの8mmレンチ。思ってたより小さい。

なんか今ではYAMAHAのレンチはすでにメーカーでは取り扱ってないようで。
こういう互換品は正直大丈夫なんか、と思いつつトラスロッドに差し込む。
バッチリでした。45度ぐらい回すとちょうど良いネック状態になったので、ネックはこれでよしと。

さて、次は弦高とオクターブチューンや。
きっと長い事動かしてないやろうから、固着してるかもなあ・・・・

あれ?レンチあらへんがな・・・・
1.5mmの六角やそれより小さい六角はギターでも使ってたはずやのに、どこ行ったんや。
それより大きなレンチはセットとして持ってるけども、バラであちこち置いてるからアカンのやろねきっと。

って事で、セットになっててギター用工具カバンに入れとけるやつを探して購入。

ええのんありましたわ。

国産ギターしかもってへんのでミリサイズのセットで充分。
こういうセットやとどっかに行ってまう事もなし。
で、あとからあちこちからボロボロ出てきよるんやろな・・・(笑)

予想通り、各ブリッジのサドルの芋ネジは固着してたので、CRC5-56を流し込んでコリを解すようにゆっくりと回す。
幸い、芋ネジは全て潰してしまう事なく回す事が出来ました。
これで、4弦12Fで6mmもあった弦高を下げる事が出来る(笑)

正直、ベースは専門外なのでどれが弾きやすくてどないなってんのかようわからんのですね。
なので、ネットで見た「普通は3~3.5mmぐらい」というのに合わせて弦高を下げる事にする。

確かに押さえやすくなった、気が、する・・?ええい、これでええわもう。
4弦に合わせて指板のアールに沿って他の弦を調整していく。
すると1弦のハイポジがビビリだしたので、ああなるほどと納得。
仕上がってからベース本職であるGEKO1号に判断してもらえばよかろう(笑)

このMB-3、一体いつ発売されたんやろなあ、とネットで調べてみました。
どうやら1986年の発売らしく、YAMAHAのカタログに載っておりました。

手元にあるのは赤なんですが、最初は赤ってなかったんですかねえ。コントロールノブもゴールドではなくシルバーやし。
なにより、ジャックが上面から出すようになってるのに注目。自分のMB-3はジャックが側面。

MB-3は89年に一度リニューアルされて発売され91年に販売停止になったそうな。
89年のリニューアルの際はMB-3Rという製品名で発売され、少しだけスケールが長くなってて弦もボディの裏から通すように変更されたとか。
これはショートスケールならではの弦テンションの低さをカバーしようとしたんでしょう。
そして、ピックアップもPJタイプとなってサウンドの幅を広げたって事ですかね。

1990年のYAMAHAのカタログより。このカタログ、持ってたかも。。

逆算するとこの赤いMBは88年ぐらいに製造されたもの、って事なのかな。
88年といえば自分は17歳。
まだ実家におった頃なんで、その頃はまだ部屋にベースがなかったのは覚えてます。
では一体、このMBはいつぐらいに、そして誰によって持ち込まれたのでしょうか(笑)
もちろん自分で購入した覚えは全くございません。

家を出て、2番目に暮らした部屋ではMTRでデモテープをよく作成していたのを覚えてます。
その時の録音物にはしっかりとエレキベースの音が入ってるので、恐らくこのベースで弾いたんでしょう。
あの部屋で阪神大震災に遭遇したので、95年にはこのベースがすでに手元にあったって事か。
それぐらいの時期に手元にあったビルローレンスのテレキャスがなくなってるので、それと引き換えに交換でもしたんかな。。

あれ以来、幾度かの引っ越しや結婚を経て、住む場所も移り変わりましたが、こいつは何故か捨てずにずっと連れてきたんやねえ。
言い方を変えれば、立派なジャパン・ビンテージってやつになるんかな。
あ、そういえばメインギターのストラトよりずっと古いわこのMBw

時を経て、復活したこのMBでちょいとベースを真面目にコピーでもしようかなと。
ベースラインを作る理屈がわかると、きっとアコギでのバッキングの幅も広がりそうやしね。