学校に通いたいけどお金が払えない学生を支援するために始まったStudygift

Screenshot of studygift.net
こういう人を救いたいという人とお金をWebを使って集めるというサービスですが、どんどんきな臭い方向に話が行ってて、見事に炎上してしまいました。

当初このサービスの事を聞いた時は「へえ、うまくいけばすごいね」と普通に感心していたのですが、サイトが公開されたのを見た瞬間「なんだかなあ・・・・」と思ったのは事実。

これは今回のテストケースに登場した坂口さんという女性のプロフィールを見た時に感じました。
僕自身、大学には行ってないし、それこそどんな仕組みなんかもわからんというレベルですが
友人には奨学金もらって勉強してる人もいました。
その人達と比べてもまあ・・・・・時代は変わったんかな、としか思えなかったんですねえ。
iPhone持って寝転がってるアー写みたいなもん見せられて「勉強するお金欲しい」言われても・・ねえ。

「炎上マーケティング狙っていない」–studygiftに集まる賛同と批判の声
http://japan.cnet.com/news/business/35017282/

Webサービスを素早く企画してすばやく稼働させる、そのスピードをウリにするのは
とても素晴らしい事だと思うんですが、人様から善意を盾にお金を集めるってシステムを公開するには
あまりにもずさんとしか思えませんでした。

今までWebで食べてきた人達がこれだけ集まって企画して、このテストケースと見せ方じゃ
こうなることぐらい誰も予想できなかったんだろうか、と思います。
そこまで急がなくても、たとえばテストケースの人物をせめて男女2人にするとか
参加する側の人間(もちろんお金を出す人も含まれます)の気持ちの動きすら読めなかったのは
なんでなんだろう、とずっと思っていたのですが・・・・・

そして一応は目標額を達成したのですが、この後にわき起こるのが事実不告知とページ改ざん問題。
目標額達成前は「大学を中退になりそうな状態では通常の就職活動を行う事不可能」と書かれてたのに
実際はなんとすでに退学になっていた、という事実が判明。

目標達成後のページでは「学費が支払えずに退学になるという状態では」に書き換えられていました。

看板に偽りあり、で人の善意に訴えかけてお金を集めるのは「詐欺」と言われても仕方ないですね。
実際集まったお金があっても、再入学に「審査がある」なんて事は、お金を集める前には
どこにも記載されてなかったわけですから。
そして、このWebサービスの企画者とこのテストケースの女性が、実は男女関係にあるかもという
情報が流れ出してからは、ますますこれがうさんくさい話題に転落していくわけです。

人からお金を集める、というのをあまりにも軽く考えていたのかもしれませんが
人の目というのはどこにでも光ってるし、またこういう前例を認めるとそれこそ
後進の人達にとても悪影響なのは誰にでもわかる事なんですけどねえ。

あれだけ、スピードや組織の柔軟性を誇っていたこの開発グループは
いざこういうトラブルが発生すると、いわば彼らが忌み嫌っていた「古い価値観」の組織の対応となり
当事者の二人は未だダンマリを決め込んでるというのが、僕としては一番情けないなあ、と思う部分。

「誰に何を言われようがとりあえずやってみる。色々問題はあるかもしれないがまずはやる事が大事」
という言葉をどう理解しているのかわかりませんけども、その中にもルールはありますわね。
僕はこういう言葉を振りかざせば何をやってもいい、という風潮は好きになれません。

いくら新しい価値観だなんだと叫んでみても、実績になるのは「結果」が全てですから。
「気合いだけは誰にも負けない」と竹槍で戦闘機と戦おうとした歴史を持つ文化の中で
それらがどういう結果を生んできたのかを、もっと噛みしめるべきではないんかな。

人の気持ちを踏みにじる所からスタートしたこのサービスのこれからが気になります。
志はとても良いとは思うし、定着すれば確かに素晴らしいシステムだとは思う。

でも、あまりにもスタート時の抜けが多すぎたと思うな今回は。

結局最後はね、個人的な好みになるんだろうけど
自分はこの坂口さんには同情も共感も一切出来ません。
「身から出たサビ」って言葉しか思い浮かびませんもの。

良い勉強になったな、と彼女が遠い将来で思えればいいんだけど。