真夜中、仕事で万博公園外周と呼ばれる道路を走っていてふと思い出したこと。

この道路沿いにはその昔、ドライブイン・シアター「スターダスト千里」があった。
2001年に閉鎖されて、現在では「おゆば」というスーパー銭湯になっている。

だだっ広い駐車場の様なスペースの奥にスクリーンがあり
入場ゲートで指定されたFMのチャンネルに合わせて音声を受信して
映画を楽しむシステムで、確か1台につき2200円だったような記憶。
FM音声を受信できないカーステの場合は、携帯ラジオを貸してくれた。

スクリーンの脇には売店があり、ちょっとしたドリンク(もちろん酒はない)と
軽食を買えるようになっていた。

売店で買い物して自分の車に戻る際に、他の車にふと目をやると
目の前の映画なんぞそっちのけで、隣の彼女を触ってる彼氏がいたりして
何しに来てるんだお前らは!と車にケリでも入れたろかとよく思ったものだ。

僕自身、こういったどピンクな想い出は「ほぼ」なくて
男友達と総勢4人で狭い車の中で、タバコ吸ったりギャーギャー映画にツッコミいれながら
楽しくておバカな夜を過ごした記憶の方が強く残ってます。
なんせ、安かったもの。一人頭500円弱で映画見れて、
タバコ吸いまくれるし、しゃべり放題だし、映画に飽きたら覗きも出来るし(笑)

元々はアメリカで始まったこのドライブインシアターですが
日本にも当時はけっこうな数があったらしく、大阪も確か舞洲にもあったような。

しかし、時は流れて今はエコ、Save The Earthの時代。
数十台の車が排気ガスまき散らしながらアイドリングして映画を見るなんてのは
どう考えてもこの時代にはそぐわないのでしょう。

それと「夕方以降しか営業ができない」という致命的な問題と
レンタルDVDやデジタルコンテンツ配信の普及で、わざわざ出かけずとも
自宅で簡単に高画質の映画を見れるご時世、やはりこういう業態はきついのでしょうね。

日本でもただ一軒、
神奈川県の大磯プリンスホテル内の「ドライブインシアター大磯」が
がんばって営業を続けていましたが、2010年10月に閉鎖されてしまい
日本国内ではもうドライブインシアターは存在しなくなってしまいました。

もう一度行ってみたい、という願いがどうあがいてもかなわないというのは
なんとも言えない気持ちになります。

年を取れば取るほど、想い出は積み重なっていくせいなのか
最近、価値観が変わって消えゆくものに対して憐憫の情を隠せません。
若い頃は想い出の積み重ねがそんなに無かったせいなのと、
「そこで働く人の生活」までイメージできるほど人生経験もないので
「へえ、なくなるんやー」ぐらいにしか考えてなかったからなあ。

かといっても「昔はよかった」と過去を振り返るだけで終わるのは
あんまり好きじゃないんですわね。
どちらかというと「こういう経験があるんだぜ」と胸を張りたい気持ちの方を
強く持って新しい日々を生きて行きたいのですよ。

さて、ドライブインシアターといえば、個人的に思い出すのがこのPV。
http://www.youtube.com/watch?v=1mMn_zu6FMc

おそらく1980年代初頭の曲ですが、KIDD GLOVEというバンドの
“Good Clean Fun”というナンバーです。
これ、よくSONY MUSIC TVで流れてたのでめっさ覚えてるんですが
曲はいまいち売れなかったようです。

ゴテゴテのアメリカンハードロックアレンジに、バリバリの80年代シンセが乗り
ツインリードソロまで追加した結果「うわー、くせー」と言わんばかりの曲ですが
子供の頃にイメージしてたドライブインシアターはこのPV世界だったのです。

大人になって行ってみたら、本当にこの通りで感激しましたけれど(笑)

ドライブインシアター、もしもう一度行けるのなら行ってみたいです。
もちろん、次は可愛い女の子と二人でね(笑)