昨年ぐらいから近所で色々と住宅を内覧する機会が増えている。
目的はなんのこたあない、子供らが大きくなってきて今の住居が手狭になってきたからである(笑)
出来る事なら今の学区内で良い所ないかなあ、と思っているわけです。
一度、新築物件をあわや購入(融資の審査も通った)か?という所まで行きましたが寸前でやめました。
なーんかね。ちょっとそれは違う気がして。
まだ現物が建ってない物を想像で契約するってのもあまりにギャンブルやと思いましたし、
同じ様な家が建ち並ぶ街でヒイコラ言いながら、死んでも一緒にあの世に持って行けるわけでもないモンを背負うのはね。
営業さんもなかなかこういう時は強引ですさかいに(笑)
このコロナ禍において、きっと住宅事情も大きく変わっていく事だろう。
自分の住む街はいわゆる大阪万博ぐらいのニュータウン計画で山を切り開いて出来た街。
高齢化も大きく進んでいて、点在している自治会も機能していない所も増えてきた。
新たに切り開かれた所に若い世代がこぞって引っ越して来て、街は二分化されてる感もある。
そんな中、築40年以上の一軒家を内覧出来る機会があった。
現物引き渡しで後は購入側で責任持ってね、という物件なのでリフォーム込み、もしくは解体して土地目的って感じ。
ああ、昭和だなあ、という外観は何か子供の頃を思い出す気がして懐かしかった。
和室が6畳×2もあったし、そして縁側付き。
その物件で気になったのは「執拗なまでに隠されたキッチン」である。
ぼーっと眺めながら考える。
きっとこの仕様はこの家を建てた人の思想が宿っているんだな、と。
これを望んだのはここの奥さんなのか、それともここのご主人なのか。
40年も経つとあらゆるモラルや常識はすっかり変わってしまう。
メシ作るとこなんて隠してしまいたい、ってのはちょっと自分は理解出来ない。
自分は料理が趣味なので、キッチンに立つことはそれなりに多いけどもこんなとこに押し込められるのは嫌だわね。
こんな間仕切りは全て取っ払ってそこにキッチン台付けたいよなあ、と。
もうそれこそうどん打てるぐらいのやつですな(笑)
リフォーム業者さんにそれぞれこの物件を見てもらってる間、何もないがらんとした家を歩いて回る。
柱に刻まれた日付と背の高さ、つたないひらがなでの落書きなどなど。
40年以上の歴史が刻まれてるって事はもちろん同じぐらい老巧化しているわけで。
いかにも近所の工務店って感じのおっちゃんは小声で
「近所のよしみやからあえて言いますけども・・・まともに住めるようにするには1千万はかかりまっせ。やめときなはれ」
見積を取りに来てて仕事のチャンスがあるのに、やめとけというおっちゃん。
自分はこういうおっちゃんが大好きだ。
断熱材も入っておらず、壁はベニヤにシート。瓦もあちこちが剥がれていて外壁にも細かいヒビがあると。
プロがそういうのであればそうなんだろう。即座に撤退を決めました。
試行錯誤の実験人生。
DIY(Do it Yourself)を標榜していた元パンクロッカーは50歳を目前にして、セルフリフォームなんかをやり始めてもいいかな、と思ったり。
Youtubeで見つけた「DIY PANDA」さんの動画は見ていてすごくワクワクするんだなこれが。
まだまだ勉強する事はたくさん出てくるねえ。
きっとこういうのが自分には合ってる気がするんだなあ。