ハナモゲラボ / 試行錯誤の実験人生

日々、PCや各種デバイス、楽器等に翻弄されながら電脳の森をさまよう男の日常と様々な実験をさらりと記しております。

薄さという記憶、想い出、経験

December 05 2011

「咳が出てきたのでマスクを帰りに買ってきて欲しい」

というメールを受け取り、よっしゃ了解と車を走らせる仕事帰りの午後11時。
もうこの時間空いてる薬局はない。
夜道に浮かび上がる灯りはガソリンスタンドかコンビニエンスストアだ。

ちょうどのども渇いてたし手持ちのタバコも切れてた。
たぶん、コンビニならマスクもあろう、この時期だしな、と
車を駐車場に入れて、店内に向かう。

「マスク、マスク・・・・・」
普段、コンビニで買わないからどこにあるかわからない。
女性用化粧品の陳列棚・・・・・・ない。
隣、男性用化粧品の陳列棚・・・・ない。

ぐるりと裏に回って、目に入ったのはバンドエイド。
「ああ、ここだな多分」と目線を上に上げると・・・・あった。
色んなマスクがあるねえ、どれにすっかなと物色している時に
視界の端に入る文字。

「うすさ0.02」

ずらりと並ぶ0.02の文字。
0.02。
思い出すのは昔、プラモデルにハマっていた時によく買ったプラ板。
あの透明なプラスチック板の薄さがいったい何ミリだったのかは
もう忘却のかなたで思い出せない。

0.02。
縦長の箱にデカデカと書かれたその数字は
いったい何を主張し、掲げるのか。
行儀良く真面目なんてクソクラエという感覚なのだろうか。

もうすでに携帯する必要のなくなったコイツが主張する0.02。
じゃああの頃、常に財布に忍ばせていたのはどれだけのものだったんだ。
0.05だったのか?それとも0.08だったのか?それとも0.1だったのか?
シェリー、いつになればオレはたどり着けるのか。

記憶も想い出も経験もすでに脳みそのシワのどこかに置き忘れた。
「じゃあ買ってみるか」という勇気もその必要もない。
それが必要となるシーンをすでに頭の中にイメージできない。

0.02。ゼロゼロニ。
薄いのか、薄いんだろうなあ。うんうん。そうかそうか。

マスクとコーヒーとタバコを買った。

自動ドアをすり抜けて外に出た。
ただ12月というだけの夜。
吐く息はすでに白くなっている。

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