長男が生まれた時以来、広島の嫁さんの実家には帰っていない。
今年はなんとか空きを作って全員で帰れる事になった。
(但し自分だけ仕事があるため早めに一人で帰るスケジュールだが)。
その空き、というのが今までは避けてた「お盆休み帰省ラッシュ」ピーク時。

正直「言うたってのろのろ進んどるやろ」という認識でした。
甘かった。スウィーツだった。恋愛脳に侵されたババアポエムぐらいはイカれてた。

自宅を出て茨木ICから中国道宝塚ICまで4時間
4時間、4時間だぞおい。
いつもならマイダーリン、30分もかからずに到達出来るたった20kmが。
時速5km/hなら、走った方が早いじゃねえか。

4時間あれば何が出来る?ホワッキャナイドゥメーン?と問いかける。
たとえば、新大阪から新幹線に飛び乗ったら2時間40分で博多駅に到着する。
611kmを2時間40分で移動して、まだ残り1時間20分だ。
たとえば、駅を降りて駅前のカフェで博多美女んに出てくるような女の子と
楽しいトークを1時間20分。
・・・なんて心ときめく時間だろう。
帰り際に「え、もう帰っちゃうと?」と上目遣いで言われたりしてみろ。
それだけでオレはもう満足だ。
不埒でピンクな夜の時間など要らない、二回目は別として。

なのに今のオレときたらどうだ。
子供達のリクエストで「アナと雪の女王」と「アンパンマン」のサントラが
エンドレスで流れる車内で、動かない風景にストレスを爆発させたチビ共の
叫び声を聴きながら、なぜアクセルよりもブレーキの方を長く踏んでなきゃならない?
いっその事アクセル踏み込んで、前の車を蹴散らしながら
世間体という物からレリゴーしてやろうかと思ってしまうんだ。ありのままに。
そうだ、恐れないでみんなの為に。愛と勇気だけが友達さ。
愛も勇気もいらない。時間をかえせ。この無為な時間をかえせ。

ストレスマックスに達した娘が叫ぶ。
「もうおとーさんなんかきらい!!!」

なぜそこでピンポイントで名指しされるんだ。

オレも嫌いだこんな自分が。こんな移動手段しか選べないオレの今のレベルが。
世の中にはすいっと新幹線で移動して駅前で車をチャーターするような人達もいる。
君が生まれてくるならどちらを選ぶ?聞くまでもねーよね、そーだよね。
って思考がイケない方向に歪んでくるのはおそらく夜勤明けのせい。
眠眠打破なんてただの水です。エライ人にはそれがわからんのです。

山陽道に入ったら車は流れ出した。
途中、姫路から事故渋滞が10kmほどあったけど所詮車線規制。
のろのろ走ってるからさっきに比べると全然マシ。

「慣れていくんじゃろなー。自分でもわかるw」
広島弁で知らないうちにセイラさんの名ゼリフをしれっと口にする嫁さんに
運転を代わってもらったのが篠坂PA。
目的地のインターチェンジの少し手前、そして出発から7時間以上経っていた。
後部座席で変な形に折れ曲がって眠りに落ちた。

結局8時間かかって広島県府中市に到着。

結論。二度と帰省ラッシュに車移動なんてしねえからな。