暖かくなるにつれて聴く音楽もそれに応じて変化していきますが
真夏になってしまうとそれこそこの前紹介した大滝詠一御大の「ロンバケ」に並び
しょっちゅう聴いてしまうのが山下達郎氏の1984年のアルバム「BIG WAVE」。

サーフィン映画のサントラとして作られたこのアルバムなので
そりゃ夏の雰囲気ばっちりでしょ、って事なんですが
僕はこのアルバムが実は達郎初体験という事実。
1984年って事は小遣い握りしめてレンタルレコードに行きだした頃で
このアルバムも店内に「オススメ」とか書いてあったので借りたはず。

最初の「The Theme from Big Wave」が流れてきた瞬間に
「おお、夏だな!」と思ったのをよく覚えています。
「I Love You… Part I」はちょうどテレビCMで流れまくってましたしね。

子供の頃は「夏になればこれ」という具合に何も考えずに聞いていたけど
大人になるにつれて色んな知識がついてきます。
聴きまくってたこのアルバムのB面が実はカバー曲ばっかりで
ビーチ・ボーイズの「Girls on the Beach」「Please Let me Wonder」
「Darlin’」(どれも名曲!)そしてグレン・キャンベルの「Guess I’m Dumb」
(ブライアン・ウィルソンが提供した曲)はわかったのだけども、
一番大好きだった「This Could be the Night」が誰の曲なのか
つい最近までわからなかったのですよ。

クレジットには「ニルソン」ってあったので、恐らく「ウィズアウト・ユー」の
あのニルソンなんだろうなと思ってはいたけども、
ビーチ・ボーイズ関連で固められたサーフィン映画のサントラ、という先入観で
見ていたせいもあってなんとなく探せずにいたまんまでした。

ってな事を最近また思い出して検索をかけてみると
この曲はモダン・フォーク・カルテットというグループが1965年に録音したもので
プロデュースはあのフィル・スペクターだったという事が判明。
フィルは録音はしたものの、出来が気に入らなかったせいでリリースを見送り
そのおかげでこのモダン・フォーク・カルテットは解散に追い込まれたという事で・・・
いかにもフィルらしいエピソードではありますが(笑)

では達郎氏はどっからこの曲を知ったんだ、って事になりますが
1966年の映画「The Big T.N.T. Show」のオープニングに使われたり

1976年に出たフィル・スペクターの「Rare Masters Vol.2」にも収録されたそうで。
デヴィッド・キャシディやブライアン・ウィルソンもカバーを出してます。

と、色んな情報を知りつつ「そういえばどんな事歌ってんだろ」と歌詞も検索。
するとなんともまあ、とてもカワイイというかキュンとする歌詞でしてw

All of these nights that we’ve been a dating
All of there nights that we’ve been awaiting
Something tells me that the time is getting right
Each time we kiss it takes a little bit longer
And my love for you gets a little bit stronger
And I feel like I’m a sittin’ on dynamite

So this could be the night
The night I’ve waited for
This could be the night
I’m gonna give her all my love and more

When it comes to lovin’ she’s a natural master
And each night she’s there well my heart beats faster
Deep down inside I know the best is yet to come
Oh oh gonna pick her up about a quarter to seven
I know were gonna take a little trip to heaven
And if it’s love she wants then I’m gonna give her some

So this could be the night
The night I’ve waited for
This could be the night
I’m gonna give her all my love and more

僕たちが何度もデートを重ねたり
待ちわびてきた夜の集大成!
誰かが僕に「もうそろそろじゃないか?」と告げる
僕たちのキスの時間も長くなったし
君への愛もどんどん強くなっていく
まるでダイナマイトの上に腰掛けているこの感じ

だから今夜なのかもしれない
この夜をずっと待っていたんだ
たぶん今夜がその夜さ
僕の愛を全て彼女に捧げるんだ

愛する事に関しては彼女の方が先生
毎晩、彼女の側にいるだけで鼓動が早くなってしまう
心の底ではわかってるよ、お楽しみはこれからだってね
ああ、7時15分に彼女を迎えに行くんだ
天国への小旅行になるってわかってる
もし彼女が愛を欲しがるのなら、僕の愛を捧げるさ

だから今夜なのかもしれない
この夜をずっと待っていたんだ
たぶん今夜がその夜さ
僕の愛を全て彼女に捧げるんだ

とまあ、この若さ溢れる男の子の先走る性欲・・じゃなくて純愛を
素晴らしいメロディーに載せたもんですホントに(笑)
こういう歌詞だったとわかってますますこの曲が好きになりました。
そりゃ浮かれますわね。

このウキウキ感(死語)、男としていつまでも忘れたくないもんですねいやホント。

あんまり期待しすぎると「ごめーん・・・今日(以下r」っていう場面に遭遇した時に
この男の子がどうなってしまうのか、42のおっさんが経験してきた事を踏まえると
とっても興味がありますが、ま、それは下世話ってもんですかね。