ハナモゲラボ / 試行錯誤の実験人生

日々、PCや各種デバイス、楽器等に翻弄されながら電脳の森をさまよう男の日常と様々な実験をさらりと記しております。

矛盾~理想と現実の間で揺れる「国防軍」

December 04 2012

あれは確か小学校4年の頃でしたかね。
当時の担任は新米の若い女性教師でして、とてもいい先生だったのですけども
ただひとつ、常軌を逸脱してたのが「戦争」という物への嫌悪。

男の子、小学校4年なら、戦車・飛行機なんぞはいわば憧れの対象ですわね。
かくいう僕もタミヤの戦車プラモを、毎回キャタピラの焼き止めで失敗しつつ
ヤークトティーガーとか作って楽しんでいたのですけども、
この先生、こういう事も絶対に許してくれなかったのですよ。

「戦車がカッコイイ!?これは人を殺す道具よ!戦争をする道具なのよ!」
とヒステリックに騒ぎ立て、否応なくビンタされたりするのです。
今思えば、まあ偏った思想で著名なあの団体に見事に染まっておられたのでしょうけど
子供ながらに理不尽な物を感じ、反発心も手伝って次は
F-14トムキャットとかF-15イーグルの下敷きとかを持って行ったりしたものです。

危機管理の番組などではお馴染みの佐々淳行氏の著書である
連合赤軍「あさま山荘」事件―実戦「危機管理」 (文春文庫)」の中で
こういう場面が描かれていました。

ある小学校での風景、女性教師が
「この中で、警察・自衛隊に勤めてるお父さんがいる子は立ってください。」と言い
なんの話だろう・・・としぶしぶ数人が起立すると、女性教師は
この子たちのお父さんは、ベトナムで戦争し、学生を警棒でなぐっている悪い人たちです
と言い放った、と。
その後、その子たちは放課後まで立たされてたそうです。

安田講堂事件やあさま山荘事件は当時の学生運動のハイライトだったらしくて
「そっち側」に染まった教師もイケイケでこんな事を言い放ったんでしょうね。
これを聞いた佐々氏はすぐさま校長に電話したらしいですが
「あの組織はややこしいから相手にしないほうが・・・」と消極的で
「公立小学校で親の職業による差別・いじめ教育と、罪のない子供に『立たせる』という体罰について教育委員会に提訴する」と校長に言うと、この教師を自宅によこしたそうで。

やってきたこの教師、関係のない子供たちを巻き込んだ事を棚に上げて
「組織をあげて警察の権力的弾圧と闘う」と息巻いた。

佐々氏が「私は一個人の父兄として貴方をクビにするまで闘う」というと、
この教師は突然、床に土下座して「クビになると食べていけません」と、泣きだしたとか。
イデオロギーも、メシが食えて初めて成り立つものとはいえ
権力を傘に着て物を言ってたのはどっちなんだ、と呆れてしまいますわな。

結局、自分がビンタされたあの時もこれと全く同じ状況だったんでしょう。
敗戦後、日本が経済復興したのは「戦争特需」というものがあった事をも想像できない輩が
人に物を教えてる、っていうのも今考えりゃゾッとします。

そして巷を賑わせてるこの国防軍という呼称。
例のごとく「軍靴の音が聞こえる」という、極端な考えの人達の琴線に触れまくってるようで。

自分としてはどう考えるかというと、「外から見たらどう見えるか」という事。
自衛隊は軍隊ではない、というのを心から言えますか、ってレベルのお話です。

自分が外国人で日本の人に「あれは軍隊ですよね?」と聞いて「いえ、違います。」と
真面目な顔で返ってきたら、自分はまずその人を信用しないでしょう。
「何が違うのか具体的に説明してください」と質問を追加すると
いったいどれだけの人が僕に対して納得させてくれる答えを言ってくれるでしょうか。

僕はさらにこう聞きます。
「原子力発電所の地下に核ミサイルを隠してますよね?」と。
「いえ。日本は戦争放棄をしています。そんなわけないじゃないですか」と返ってきたら
「でもあれだけの軍備を持っていながら軍隊じゃないって言うんだからどう信用しろと?」
と聞いてしまうでしょう。

この様な矛盾を抱えている上に、世界的テロルの時代に突入しているこのご時世に
自分のハンカチだけは白いままでいたい。たとえ嘘を言っても。」なんて事が
通用すると思ってる人の方が僕としてはとってもおめでたいと思えるのですよね。

日本が戦後から今までをどこからも攻撃される事もなく来れたのは
本当に自分たちだけの力だ、と思っているのなら、
やっぱりそれは歪んだ教育のせいなんでしょうね。
僕は戦車かっこいいと言ってビンタされて初めてその矛盾に気づけたので
あの極端思想をお持ちの先生には感謝すべきかも知れません。

高校までの社会科教育の中で、満州事変から終戦までを適当に流されて
昭和20年以降からの歴史を全く教えられないまま、社会に放り出された人達は
こういった先生達のいわば犠牲になっていると言えましょう。

なぜあのアジア・太平洋戦争が起こったのか?という事すら知らないまま
「国防軍になって徴兵が復活したら・・」って事を言うのは正直愚かです。
徴兵なんてする間もなく、情報と資源絶たれるだけで日本はあっという間に終わりですよ。
そもそも今の情報戦争時代に、徴兵してまで日本はどこに攻めていくつもりなんでしょ。

昭和20年以降、なぜ自衛隊が発足せざるを得なかったのかという事は
僕たちは義務教育では明らかに先生からは習っておりません。
そしてそれ以降の代理戦争のことなども。

国防軍なんて呼称で揉めれる事自体が、平和ボケしてる証拠でしょう。
世界に嘘をつき続けて信用をなくすよりも大事なものがあるんでしょうか。
有事の時に協力体制を取れないんです~って言われたら
「誰の為にやってんだてめえ」って僕が米軍なら絶対言うでしょう。

最後に。ありゃあ誰がどう見ても軍備ですよ。
1954年の自衛隊発足後、50年以上経ってようやくこういう議論がされだした事を
僕は評価したいな、と思います。

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