ビートルズの「Get Back」とスター・ウォーズ関連を見る為に課金したディズニープラス。
昨年末にポールマッカートニーのドキュメンタリーなども見れたし、次は「オビ=ワン・ケノービ」かなあ・・とサイトにアクセスしたら、なんと「セックス・ピストルズの伝記ドラマ」が配信開始、となってまして。

これは・・・・知らんかった・・・
よくこんなんをあのジョン・ライドンが許したなと思って検索したら案の定、大揉めに揉めてたようで(笑)

原作はギタリストのスティーブ・ジョーンズが書いた自叙伝「ロンリー・ボーイ」の方。これは未読。

そして監督は「トレインスポッティング」のダニー・ボイル。
退廃的なイギリス若者を描かせたらピカイチのこの人がピストルズを描く、となるとそりゃオモロいやろと見始めました。
冒頭からデヴィット・ボウイの「ジギー・スターダスト」ライブ会場から機材を盗むスティーブ(笑)
マルコム・マクラレン、ヴィヴィアン・ウェストウッドが出てくるのは当たり前にしろ、まさかのクリッシー・ハインド(後のプリテンダーズのボーカル)まで出てくるとは思いませんでした。
そういえばヴィヴィアンの店で働いてたんやっけ。

あのパンクムーブメントは当時のイギリスの失業率などの社会情勢が密接に関係してるんですが、その辺の事はあまり描かれず。
ただ急に沸いて来た頭のイカれた若者達、みたいな感じだったのはちょいと残念。

使われてるサウンドトラックもピンク・フロイドやイエス、はたまた「マイボーイ・ロリポップ」まで飛びだす辺り、ブリティッシュロック好きにはたまりませんでした。

ピストルズと言えば、やっぱりシド・ヴィシャスが強力なパンクアイコンとして未だに語り継がれてますが、
かなりアホな困った子、という描かれ方をしてるのはなかなか好感が持てました(笑)
あの「シド・アンド・ナンシー」とかやっぱりちょっと美化されすぎてて気持ち悪かったもんなあなんか。

同時期に活動してたThe Clashに関してはギタリストのミック・ジョーンズの名前が出てきたのみ。
いや、出てきただけでもびっくりしたけども(笑)

あっという間に6話、見終わってしまいました。
この間見た「エルヴィス」にしろこの「ピストルズ」にしろ、山師みたいなマネージャーがいたという共通項は偶然なんですかね。
交わることはなかったにしろ、全く同じ時間軸のお話なのでちょうどロックがビジネスになってた時期。

マルコム・マクラレンの胡散臭さがとてもわかるドラマ構造になっていて、
6話のラストシーンでスティーブ・ジョーンズとジョニー・ロットンが自己を反省する感じで「あいつにさえ関わらなけりゃ」と愚痴を言うてたのが最高に面白かったです。
ピストルズの最後は本当に尻すぼみすぎてひどかったですしね・・・

自分は77年のパンクムーブメントの時はまだ6歳だったのでもちろんリアルタイムではありません。
が、ブリティッシュロック好きである以上、あのムーブメントはやっぱり避けて通れないしやっぱり血が騒いだもんです。

ジョン・ライドン著「Still a Punk」を読んで

ピストルズも何度か「お金のため」と言うては再結成してますけども、2007年のこの再結成の「ゴッド・セイブ・ザ・クィーン」が鳥肌モンのかっこよさ。

この一塊のエネルギーが翔んでくるような演奏がちゃんと出来る、ってのも各自がそれなりにキャリアを積んできた、からなんでしょうね。

よいドラマでした。
しかし、あのディズニーがよくこんな「ファック」発言連発のドラマを配信したもんだ(笑)